昨日のお軸は「喫茶去」でした。仕事は激務が続いておりますが、お稽古はまさに一服の清涼剤となっています。

前回に引き続き、茶通箱(さつうばこ)のお稽古で、これは一点前で二種のお茶を濃茶で2回点てる長いお点前です。テキストがないのでノートを作って覚えているのですが、2回連続のお稽古でようやくつかめてきました。

茶道の所作、要するに仕事における作業フローは数百年の積み重ねがあるので、当たり前のことですが大変良くできています。基本的にお茶を点てる所作は、一番最初に習う薄茶の平点前と濃茶も流れは同じ、それに道具や目的が変わることで、オプションがどんどん加わる重層的な構造になっています。さらに今回は、それを2つ組み合わせというわけです。

「同じ事を2回しないのよ」という先生からの指導は、濃茶を点てる所作は同じでも、正客から茶名や詰を尋ねられたときに応対する所作は、最初と2回目では同じではないですよ、正面が変わりますよ、ということでした。

なぜこの所作なのか?実はそれを学び考えるのが茶道の勉強です。この哲学的なところが、大変でも続けていけている理由かもしれません。

今新しいビジネスフローを整えていて、オペレーション部分を構築しているところなのですが、この「同じ事を2回しないのよ」という教えは、なかなか深く突き刺さりました。茶道の所作は優雅に見えるように考案されています。それは必要なこと、必然的なことで構成されていて「無駄」がないということです。

電子書籍はツールの目新しさを強調されますが、私自身は、これは出版の原点回帰で読まれる本を作るという目的は同じだと思っています。しかし、その制作工程は従来の本作りと同じである必要はないと考えます。そして、この電子書籍のビジネスフローも、まずは工程の大胆なカットから始めていて、今日は定例ミーティングでしたが、その点を追求することで合意できました。

明日は、参謀団との定例MTG。なぜその工程なのか。よくよく考えて、いらないものは削除し、また大胆に組み替えて、これから宿題の資料のオペレーション計画表を作ります。

美しく大胆に、そして組み合わせを考え、どんどん切り捨てています。