あまりにも秀逸で膝ポン「それだ!」でした。

取説、パーツ、箱絵。この3つが揃っていることが、プラモデルの条件です。逆に言えば、何かをつくろうとするときに、この3つを用意しさえすればだれでも簡単につくりたいものがつくれる。それは、記事の文章も、イベントの企画も、ひいては会社そのものまで。

ナタリーの「フラット」さはどこから生まれているのか

プラモデルの要素は「取説(組立説明書じゃないかな)」「パーツ」「箱絵」の3つ。特に「箱絵」の位置づけに、なるほど素晴らしい例えだと思いました。

まだ小学生のころ、親父殿が子供のころに作った精巧なソリッドモデルの飛行機をみて、自分でも作ってみたいけど、とてもそんなものを作れそうにないと思っていました(そういえば35年前の小学生は小刀も使えない嘆かわしいと話題なっていましたが、今は小刀の存在すらないですね)。

一方でプラモデルは、箱を手にしたときに「これを手にできるんだ!」という強烈なカッコイイ動機付けをしてくれる箱絵と、箱を開けたときに「自分にもいますぐ作れそうだ!」と思わせる組立説明書とパーツの組み合わせがありました。この3つの要素が胸躍らせる仕組みだったわけかと納得です。

制作会社として、大量のモノ作りのための仕組み化が数年来の課題だったので、プラモデル的な簡易な組立構造を取り入れることは考えていましたが、箱絵の存在には気付きませんでした。

考えてみれば電子書籍に関しても「組立説明書」と「パーツ」は実作業の分解を試行錯誤すればよいので、ある意味作業の積み上げで済んだのですが、「箱絵」に関しては苦労しました。

最初のころはその「箱絵」も本を模して作っていたのですが、すぐに電子書籍の箱絵は、本とは似て非なるものだと気付いて、オリジナルを作らないといけないのだと気付きました。気付きましたが、実際は現時点でもまだ模索中です。

コンセプトは割と直ぐにまとまるのですが、それをビジュアライズするところで自分自身でも手間取っていて課題になっています。

どのようにみせれば「これだ!」理解してもらえるのか、自分一人で電子書籍を作るだけなら、完成形の視覚化をせずに成り行き任せでもなんとか仕上げられますが、課題はいかに社員に作らせて売って儲かるか、です。

同時に次なる課題として、売れる箱絵が、飛行機なのか戦車なのかガンダムなのか、バリエーションについても自分一人では賄い切れないので、このパートの人材をどのように育成していくべきか、新しい人材で試験を開始しています。

このように課題は2つ見えていますが、いずれにしてもKDPで100冊作って売るという目標に間違いはないようです。そのためにも、まだまだ自分で箱絵をたくさん描かねばなりませんが、どうやらまだその覚悟に欠けるのかもしれないなと思いました。

秋からKDP方式で新しいレーベルから続々リリースします。