先日、いま自分にとっては、資金調達よりも時間確保、時間の捻出が重要だと書きました。

そもそも、きちんと経営していて、お金が美しく流れ回る仕組みを持っていれば、資金調達や資金繰りなどという仕事は、経営者の仕事の中では優先順位の低い仕事です。

また仮に大金が必要となっても、どうすればそれを引き出し活用できるのかを知っておけば、この日本にはお金があるところには沢山あるので、それほど困らない問題です。

より深刻な問題は、経営者としての時間が足りないということです。事実、打つ手を考える時間が、企画を考える時間が、娘に請われて公園に行く時間が、そして夫婦喧嘩の時間すら足りません。

もちろん年代的に仕事も家庭も課題山積で、時間が足りなくなる時期ではありますし、生活がITに浸食され無意識のうちにネットで時間を浪費していることもありますが、もっとも大きな理由は、先行き不透明で混迷した時代だからではないかと考えています。

旧来の枠組みで物事をとらえていると仕事も生活も上手く回らなくなっています。だからといってまだ新しい枠組みははっきりと見えてないように思います。つまり今は新しい枠組みでの働き方、行き方を模索し、その試行錯誤の時間がその他の時間を圧迫しているのではないかと感じています。

現在と対比される高度成長期の働き方が通用しないと言われて久しいですが、それは「頑張れば」なんとかなるものだったからではないかと想像します。つまり何をやればよいか明確だったのでモーレツであれば事足り、試行錯誤が今ほど必要ではなかったのではないかと思います。最近「とにかくガンバレ」という言葉を聞かなくなっている(言わなくなっている)ことからも、そういうことを感じています。

加えて1つの仕事を仕上げるために与えられている時間が短くなってきているように思います。また1つのことを考え抜くための時間も足りなくなっているように思います。それはコスト削減の圧力よりも強烈なプレッシャーとして感じています。

どうすれば時間を確保できるのか、どうすれば時間を捻出することができるのか。

今はお金持ちよりも、時間持ちの人の方が評価される時代なのではないかと考えています。