ない。

いや、本当はあるけど、あえて考える前に実践、すなわち試行錯誤しかないと言いたい。

楽天の野村監督が本で「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」ということを書いていました(誰の言葉か知りませんが)。それを読んで以来いつもそう思っています。マーケティングを勉強するっていう場合、みんな勝ち戦ばかり分析してませんかね。大企業のビジネスならそういうことも必要なのかもしれませんが(本当のところ知りませんが)、零細企業にはそういうのは一切不要だと私は思います。

自分のとった戦略・戦術が正しかったかどうかは、売れたかどうか、収益があがったかどうか、判断基準はそれだけだと思います。引き出しを増やす意味で勉強は必要ですが、それを実践に移せるかどうかがより重要で、たいていの場合、尻込みしたり、後回しにしたり、いろいろ言い訳をつけて、不戦敗ってのが実態じゃないかと私は思います。もしくは売れなかった理由を、景気や社会環境や会社のせいにしたりね(そのくせ岡目八目で他人の事業やサービスをあれこれレビューする人が増えてる気がする)。

最初の会社に入社して、その社長に言われた言葉が未だに忘れられません。「香月くん、売れない本3冊続いたら死にたくなるよ」。調子に乗って企画を乱発していた馬鹿者は、社長の言葉通りに奈落の底にたたき落とされる結果を引き受けました。別に給料を下げられたわけじゃないです(もともとこれ以上下げられないぐらい低かったけど)。売れなかった、自分の企画が世の中に受け入れられなかった、その事実だけでもう十分です。

企画した本が売れるかどうかはふたを開けてみなければわかりません。しかしながら、必死に考え抜き、試行錯誤を繰り返さないで売れる本を作ったという話は聞いたことがありません。自分も真剣に考えるようになったのは、そういった「売れない」現実に直面してからだったと思います。

今の仕事で、売れていますか?利益上がってますか?というか、そもそもその企画実行に移してますか?ウェブに関係するようになって一番やっかいに思っているのが、この収益をどう考えるのかということなんですが、出版のようにシステムがないのでこれこそ試行錯誤しかないし、いまだに負け続けています。

しかしながら「売れない」「収益が上がらない」からと肩を落としたままでもありません。何が問題なのか現実を冷静に見つめ直して、修正を加えて挑戦し続けるのみです。

売れてるものや他人の失敗を知識として学ぶことは必要ですが、そこに自分で企画し結果を引き受けるという経験がなければ、商売は永遠に分からないだろうし、ましてやマーケティング云々なんて絶対に理解もできないだろうと思っています。

ということで、私自身は、マーケティングってのは、商売のことを必死に考えて収益を上げられること、だと思っています。そこで収益が上がらなければ、すべてのことにおいて努力不足というほかありません。

補足:こんなに偉そうなことを言っているのも自分には顧問がいてくれるからです。マーケティングは勉強しなければ始まらないのは言うまでもありません。