買おうと思ってそのまますっかり引き込まれて店頭で読み終えてしまいました。15分ぐらいです。
壮絶ですね。
バカな人だなとか、ザマーミロとか、哀れとか、そういうふうに言われてしまう内容なんだと思いますが、私自身は全くそうは思えませんでした。
大企業エリートととして成功した人の気持ちや実際の生活は本当のところでわかりませんが、それでも、「ここまで積み上げてきたんだ」という自負が出直しにあたって大きな妨げになったであろうことは理解できます。
他人にすれば諦めが悪いということなのかもしれませんが、それぐらい本気で情熱かけてやってきたから一角の実績を上げられたのだろうし、だからこそ簡単には諦められないと思います。
バブルの勢いがあったので挫折の衝撃もなおのこと大きかったのだと思いますが、この方ほどではないにせよ、いよいよ消費税も増税となりましたし、この先同年配以上の人には少なからずこういった経済的破綻状況に直面、もしくは直視せざるを得ない事態に陥る人が増えると思います。
一方、風潮としてそういった失敗をみてなのか、ガツガツせず小さな幸せをみつけようとか、成長を追い求めずゆっくり生きようとか、小さくまとまることが正しい傾向にありますけれど、そういった対応も私は否定的です。
確かに今の生活が維持できる確証がればそれでもいいと思いますが、それこそ時間というのはバブル世代だろうが氷河期世代だろうが平等に残酷なもので、できるものができなくなったり、あるはずのものがなくなったり、とにかく昨日と同じ明日はやってこないのが現実だと思います。
維持しようと思った瞬間に破局に向かって歩みを始めていると思うというのが、この10年近くを振り返っての私自身の感想です。大きかろうが小さかろうが、破綻したら末路は同じです。
そして、本当の意味で正しい姿勢で身の丈に合った成長を維持し続けるためには、この方のように成長を目指して達成し、その先の挫折をもってして始めて真に身体的な「身の丈」を知ることが必要なのではないかと思います。
生きぞこない …… エリートビジネスマンの「どん底」からの脱出記北嶋一郎ポプラ社
2012-06-05 |
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