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原作を読んだのは会社を作ってすぐのころの2004年。
それから何年も経って映画を見たわけですが、今まさに会社の建て直しをやっている最中、この映画に出会えた幸運を喜びたいと思います。
あきらめるな、挑戦を。
【ストーリー】ブラッド・ピット主演×『ソーシャル・ネットワーク』のタッグで贈る。メジャーリーグの常識を覆した、これは、真実の物語。
選手からフロントに転身し、若くしてメジャーリーグ球団アスレチックスのゼネラルマネージャーとなったビリー・ビーンは、自分のチームの試合も観なければ、腹が立てば人やモノに当たり散らす短気で風変わりな男。
ある時、ビリーは、イエール大学経済学部卒のピーターと出会い、彼が主張するデータ重視の運営論に、貧乏球団が勝つための突破口を見出し、周囲の反対を押し切って、後に“マネーボール理論”と呼ばれる戦略を実践していく。
当初は理論が活きずに周囲から馬鹿にされるが、ビリーの熱い信念と、挑戦することへの勇気が、誰も予想することの出来なかった奇跡を起こす!!
ブラッド・ピットの演技のもよかったし(この人はほんとモグモグ食べてるのが様になりますね)、緩急ある編集で飽きることもなく、野球を知らなくても十分に楽しめる映画です。そして組織経営の一端を担っている、特に中間マネジメント層の人なら年齢的にもさらに深く共鳴するところがある映画ではないかと思います。
それにしても、今まさに自分が突きつけられている課題と対策をまざまざと見せつけられました。原作自体も当時ビジネス書として読まれていたと思いますが、この映画もマネジメントの本質を教えてくれていると思います。
レビューを読んでいると殆どの人が彼の合理的なチームマネジメントを賞賛するところで終わっていますが、この映画を見るとよく分かりますが、マネージャーが合理と情理の狭間で揺れ動き、苦悩する姿がとてもリアルに描かれてます。
マネジメントは徹底的に合理的な設計をして、それを不合理な人間の心理状態やインセンティブを考慮して「なんとか動かす」ことに尽きます。
とにかく一旦コトを動かしたら待つ、待つ、待つ。そして指示通りに動かない現場に降りていって話す、話す、話す。もちろんそれでも動かないときは、どんな手段を使っても事態を動かす。どんな手段を使ってもです。「なんとか動かす」のです。
そしてその上で、チームの改善が旨く実を結んだとしてもそこで喜ぶことはなく、どんなにプレイヤーを盛り上げ、ファンを沸かせて、オーナーを喜ばせても、最後に勝たなければ意味が無い、という彼の仕事に対する姿勢には勇気を貰えました。
最近は本屋にいっても理屈倒れの経営書ばかりで、ネットの経営批評か批判かわかりませんが、安全なところからキレイゴトを言う風潮にも辟易しているところがあったので、劇中じーっと、ぐーっと堪えていたり、ぶち切れているブラピの演技を観ていて自分には癒しになりました。そうだよな。そうなるよな。と。
彼は仕事だけでなく家庭のことでもいろいろと問題を抱えていて苦悩だらけなわけですが、44歳当時の話ということもあって、とにかく今の自分には相当に心の奥底から突き刺さりました。もう一度見直します。
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原作は読みにくかった記憶があって、以前ブックオフに売ってしまいました。Kindle版が500円なのでもう一度買おうと思います。
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