デジカルでは「売れる本づくりをトータルにサポートする」と「立体的なメディアをプランニングする」を標榜しています。

いわゆる「編プロ」と認知されていますが、楽しめて役立つ本やアプリやウェブメディアを作って、我々も含めた作り手がきちんと儲かるそういう仕組みを作って提供する会社にしたいと思っています。詳細を語る機会は改めますが、私は社員が仕事を楽しんで、満足行く社会生活が送れる高給な報酬の会社にしたいと考えています。自分たちが楽しいことを起点にして、社会に役立つ企画やデザインを提供して、それを実現していきます。

いつでも現場、現状起点でサービスデザイニングを考えていますが、2012年現在の基本戦略は、出版社、著者、読者、書店を対象として本を中心とした「企画・デザイン・ディレクション」サービスに集中して、書籍、電子書籍、スマホアプリやウェブメディアの企画制作サービスを展開し、企画提案収益と販売収益を計上していくというものです。

ある側面からすると編プロですが、別の側面ではブックデザイン会社、またアプリやウェブメディアの企画制作会社、そして近々電子出版社。テキストコンテンツを活かすということを軸として「あ、これも出版社の仕組みだ」とか「こういう人も著者だ」とか、視点を変えて、何でもないものが実は宝の山となっていく、そういう仕組みを考えています。

2年ほど前に「編集者.jp」というブログメディアを作りました。ちょうど当時から凄腕のビジネス書編集者があちこちの版元で活躍されていて、その編集力を聞いてみたい、ただ聞くのはもったいないのでインタビュー記事を連載しようというものでした。今は忙しくなって連載は止めています(誰か引き継いでくれる人いないですか)。

http://www.henshusha.jp/

目的は、当社のブックデザイン事業の宣伝です。またブックデザインは編集者がお客様と考えれば、このメディアはインタビューする相手、読者、誰もが編集者でから効果的な営業ツールともなりました(なので萩原さんが編集長)。これが功を奏したからとは思いませんが、コンテンツが集積すると認知され、とんとん拍子で書籍化の話となりました。

スゴ編。カリスマ編集者から学ぶ7つの仕事力 (デザインビジネス選書)

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書籍化するとさらに認知されたのか、今度はこのメディアで宣伝を兼ねた連載を掲載したいという要望がありました。願ってもないお話なのでお引き受けしたところこちらもヒットしました。また、この「ある編集者のキャッチコピー力」コンテンツはこの先も十分に価値ある情報として編集者の方々のお役に立てると思います。

そして新しい展開としては、スゴ編が認知されたのか、書店で凄腕編集者をテーマにしたフェアが開かれました。2年前にもあったのですが、つい最近も大々的に展開された模様です。

2010年7月7日 有隣堂 アトレ恵比寿店で「スゴ編」フェア!

2012年01月25日 スゴイ編集者によるスゴイ本のフェア。スゴフェア。

取材そのものがブックデザインの営業で、生み出されたコンテンツが書籍化され(当然当社で編集制作デザインするわけですね)、反響によって新しいコンテンツが生まれると、今度は書店店舗での売上増進に貢献する。当然スゴ編のブックデザインは当社が担当していることも多いので、またまたブックデザインの仕事が増える。

2年間という長いスパンですが、極めて無駄なく新しい価値を生み出して、さらに儲けを生み出す流れとなっていました。そして書店で本がさらに売れる仕組みを考えることが、実は当社のブックデザインの引き合いに繋がるということにも思い当たりました。

最初の話に戻ります。

当社は、「立体的なメディアをプランニングする」ことも標榜しています。書店の売上げを上げるお手伝いをすることで、いわゆる売れ筋だけでない本の売れ行きもあげ、世の中をさらに知的に豊かなものにできるのではないか。この1ヶ月ほど、当社のメディア事業部ではそういったことを考えてきました。

書店そのものをメディアとして考え、そこにエコシステムを構築しててみたらどういう面白いことができるだろうか。そしてそれが書店員さんが楽しく仕事をする仕組みと直結すれば。

長くなったので次のエントリーに譲りますが、全国の書店員さんと一緒に、お互いに商売繁盛する仕組みをつくってみよう。そういうサービス企画を提案します。

これは編プロでありながら、ブックデザイン事業をやっていて、さらにウェブメディア企画ができる当社でしか提案できないサービスです。この2年間の当社の蓄積を提供したいと思います。