今年のGWは暦通りに営業しています
強制的に連休がつくられるようになって、元来の天邪鬼体質から、あえて祝日を出勤日にして研修などの社内イベントを実施したり、その代休を使って新たな3連休を作るといったことをしていて、GWについても中日を休みにしたりもしていました
祝日は都心が空いているということや、あえて休みを違う日に連休設定することで、会社全体として下請根性に陥らないようにすることなども意図していたのですが、そろそろこの取組も次のステージに上がる時期と考えています。
トップから始める働き方改革
この働きすぎ対策、各社員が自由に計画的休暇取得ができていれば何の問題もないことです。実はどうしたらいいのかはわかっています。
必要なことは、社員が多少休んだぐらいで会社が傾かない収益基盤の構築と、その構造維持のために日頃から自分が何をどうしたらいいのかがわかる職場の仕組み、そしてその仕組みに基き自ら計画的な仕事の組立ができる働き方の提示です。
どうすればいいのか分かっているのに、なぜ実現できないのか?それが問題ですが、わかっているのに実現できないのは、アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいるためです。そこで、なにがブレーキになっているのかを考えてみました。
すると、私の場合、こういった難問を「一朝一夕にはできない」「言うは易く行うは難し」事案と、すぐに結論付けていることに気づきました。そこで、なぜそのように結論付けてしまうのかと自問してみれば、帰結するところ、何もかも一人で考え一人でやろうとしているためだと考えています。
オーナー社長としての責任として自助努力は不可欠ですが、下手に一人でやりきってしまうがため、結果的に実施に時間がかかって環境の変化に追いつかなかったり、私自身が少なからぬストレスを抱えてしまって行き詰まったり、あげく意図せず小さくまとまってしまったり、決めてかかってしまうことで、本末転倒な状態に陥ることが多かったように思います。
まずこの、何事も一人で考えてやってしまうワンマン体質を止めること、が先決事項です。
ダム式経営の実践
また先月後半から、育休第1号社員が復帰していますが、想定通り子供の熱などで休みがちです。想定通りなので、こういうことがあっても問題無いよう予め仕事環境の再構築期間を設けていました。いつ何時休んでも構わない前提で、慣らし運転しながら、このぐらいの期間でこうなることを目指しましょうといったものです。
このことは育休復帰に限らず、体調を崩して長期で休みが必要になった場合でも、有給の療養期間や復帰期間を作ったりして同様に考えています。このような対応を前提に考えているのは、当初、社員一人ひとりが工場といったような事業構造が前提の特殊な話と考えていましたが、今後さらに社会全体がデジタル化され、プロジェクトベースの仕事が増え社内外の枠組みがシームレスになっていくことを考えると、今後当たり前の環境になっていくだろうと考えるようになりました。若年層も減ってきていますから、さらに加速するものと思います。
このような「ひとり工場」が集約された会社経営を考えたとき、思いだすのは松下幸之助の「ダム式経営」です。このダム式経営は、規模の大小関わらずロジックとして同じことを適用できると考えていますが、問題は、松下幸之助が「ダム式経営」を実現するまでにブラック体質だったこと、また働けば働くほど儲けが出る右肩上がりだったという時代背景を、現代的にどう当てはめ向きあうかという点です。
もっとも、余裕をもった経営基盤を準備しておくというダム式経営の本質に変わりはなく、この資本的な課題はこの数年で解決しているので、「そうなりたいと強く思うことが重要だ」という幸之助翁の言葉を、愚直に実践することが必要と考えています。
平成最後の1年
1年後の今日、5月1日は新たな元号になっています。また来年は10連休の予定とのこと。
平成元年は大学に入学した年で、あれからあっという間の30年。当時せっかく覚えた煙草も酒も、いまや職場から灰皿がなくなっただけでなく、飲みニケーションもソフトドリンクが当たり前の時代となりました。いつの間にかそうなっているので日頃は気づきませんが、アルバイトしていた事務所で、煙草くわえてゲラの赤字と格闘していたころを考えると、今のように灰皿もなければゲラもなく、徹夜どころか残業ゼロ当たり前の電子書籍制作現場をみると、まさに隔世の感です。
先程のダム式経営の件が難しいと感じることも、考えてみれば自然に社長としての私を含め、一人ひとりの社員の生産性を極限まであげようとする、昭和後期的な発想にとらわれていたためかもしれません。
生産性とは得られた成果に対する費用の割合のことをいいます。今後も高い生産性を追及しなければならないことに間違いはありませんが、どういった成果を得ようとしているのか、そこにかける費用とは具体的に何か、について考え直す機会を与えられた1年が始まったと感じています。
すでに新時代に対応した会社がどんどん出てきていますが、当社もこの1年で次代に対応した体制を構築したいと考えています。