先日、コンサル会社の若い社員の方と話す機会がありました。

いかに自社に力があるのかということを説明するのに、ブラックな体質を自嘲しながらも、今期の経常利益がいくらで社長は何億の報酬をもらっていますと、きもちよく力説していたので「そういった利益の話は興味がないんだよね」と答えると拍子抜けしていました。そう「儲け」の話がしたかったのです。

祖父母の代には商売をやっていた家系ですが、父は県立学校の教諭で私自身も学生時代サークル活動に明け暮れ、バイトもほとんどせず進学しか考えていなかったので、最初の出版社に入って自部署の売上グラフを張り出されるまで商売っ気ゼロでした。

それがいつの間にか会社経営するようになって、10年過ぎたあたりから経営がなんとなくわかってきましたが、最近になってようやく「儲け」をつくることがどういうことなのか身に沁みて、それこそ散々失敗してきて、わかってきました。

「利益」とは要するに決算書の黒字額のことです。ある時点で切り出した単なる数字です。一方「儲け」とは世のため人のために実行したことで得られるもの、対価のこと。

事業継続に黒字は必須ですが、これを10年単位で持続させるためには儲けを出し続けることが必要です。

実は儲けをつくるために事業経営者がやるべきことは次の3つだけです。

  • 良い商品、サービスを提供する
  • 良い客と取引する
  • それが大切なこととわかっている社員と仕事をする

文章にすると簡単ですが「これを本気でやると、人から頭おかしいと言われれますよ」と言われてきました。そして、最近その通りだなと感じています。

まず理解されません。理解され実行できたとしても上手くいくかどうか確約がありません。そして人の心は十人十色ではなく、日々朝晩変わり十人百色。

ただ、だからこそ成し遂げてきた先達や、現役世代の経営者の方々を見ていると、なんとしても実現させたいという思いが沸々と湧いてきます。喜びを共有できることほど幸せなことはありませんから。

この3つのポイントを教えて頂いた先生の本を出しました。

「儲け」と「利益」の話は冒頭に書いてあります。

しかし、倍の価格をつければよかった(儲けそこなった)と、その弱気にちょっとだけ後悔していて、商売まだまだ下手くそです。

精進します。