昨日のエントリー、河野さんに何か言われるだろうなとは思ってましたが。速攻でしたね・・・(笑)

「自己啓発本を読んで成功した」ってのと同じで、その人は本を読まなくても成功してただけの話。そしてその裏に100倍以上の成功してない人がいることを忘れてはいけない。だってみんな成功してないじゃん。こんなのは占いと同じだよ。
iPhoneとツイッターで会社は儲かる | smashmedia

自己啓発本乱造の現状を見る限り、この側面があることは否定できません。

確かに昨日のエントリーには迂闊なところがありました。私自身、本当にこのタイトル通りと考えているかどうかと問われれば、自身でも去年の6月時点ですでに「残念ながらiPhoneは仕事の生産性を下げます」とiPhone万歳を自分でも揶揄して書いているし、ツイッターについてもマーケティングツール?何それと思ってるし、ウソとは行かないまでもちょっと本心じゃないところで妥協してエントリーアップしてしまいました。それは反省です。

ただし、私も単なる一経営者として「このアイテムの組合せで儲かる」というキーワードに引っかかって、この本を手にしても、ちょっと先に原稿を読んだ者として、この本からはきっと得るものがあったと思うので(一方で読み捨てた部分もあるので)、河野さんが心配するほど最近の読者もやわじゃないので、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ、とも思っています。

ということは問題はこのタイトル付けでして、企画立案時に担当編集者が企画会議で悪戦苦闘しているのを目の当たりにしているので、彼の気持ちも考えるとなんともやりきれないというか、釣ったタイトルをつけないと売れないとされる出版の現状も含めて、そこでご飯を食べている身としても、なんとも身を引き裂かれる想いをするところです。

問題は、本の販売が書店での短期勝負でしかない現状の構造にあると思っています。これを解決するため微力ながら新しい出版のカタチを模索しているのですが、今回の企画に限っては私としては過渡期だから是非もなしと思っています。

一方で、河野さんとこうやって出版前に議論できるところに、ちょっとだけ光明を見いだしたというか(マイコミ親書さんの度量の深さも含めて)、読者との継続的なコミュニケーションを前提としたビジネスではないと今後出版は絶対に立ちゆかないだろうなと痛感しているところです。

重要なのはコミュニケーションをきちんと取るつもりがあるかどうか、そして、とり続ける覚悟があるのかどうか、だと思います。じゃないと、iPhoneを全社員に買って、ツイッターのアカウントを取った”だけ”では、会社は絶対に潰れますよ。

本書もコミュニケーションツールを会社経営の現場でどう使っているのか?という点に着目して読めば十分に得られるところがあると思いますが(私自身は徹底度合いがすごいと思ったので)、それはこのブログを見ている方々が発売後に店頭で判断されればよいかと思います。