当社の創業は2003年9月ですが、株式会社にしたのは2005年の2月です。有限会社として登記したので創業当時の資本金は300万でしたが、法改正前だったので株式会社化する際には、当然最低資本金の1000万円を用意しなければなりませんでした。稼いだお金はすべて資本金に投入しました。当時は別段それを苦労とも思いませでしたが、今思えばよくやったよなとは思います。
最近のスタートアップブームの話を見聞きして、羨ましいなと思いながらも、それぐらいのお金をなんとかできなくて起業とか、あんまり若者を甘やかさない方がいいんじゃないかなぁとも思います。
さて、デジカルとしては、明日から電子出版の事業を開始します。その契機としてHPのリニューアルをちまちまと自分でやっているのですが、原点回帰の意味も込めて古い書類を引っ張りだして整理しています。
下記は、株式会社にするときに社内向けの資料として配付したものです。前段は今となっては頭でっかちなバカ者の戯言なので無視していいです(恥ずかしいです)。ちなみに今は会計参与になっていただいている前沢先生に、最初にこれを見せたら「さすが社長、文才がありますねぇ(しかし社長としては全くダメですねぇ)」と言われました(笑)
私も零細企業の経営者として何がダメかは、今は手に取るようにわかります。
すでにブロードバンドの時代も遠くソーシャルメディアも越えて、いまやスマホの時代だと私は思います。となれば今から電子書籍というのは、本当になんともはやな事態なのかもしれませんね(自分自身は、徹頭徹尾、首尾一貫しているともいえるが)。
後段の目的や経営方針については、ソニーなどのものをパクって、自分でこれいいなというものを集めて作りました。これについては、今でも100%完璧に堅持していると自負しています。今後も堅持してさらに発展させていく考えです。今の社員にも改めて読んでおいて欲しいですし、近々、社員を募集しますがこの方針に合う人を採用します。
2005年2月 株式会社デジカル設立にあたって
デジタルと紙を融合させた“あたらしいモノ”を作る会社
創業30年周期説とともに、最近は事業30年周期という学説があります。わが国では、繊維工業から自動車工業、自動車工業からコンピュータ工業、どれも30年で浮沈を繰り返しているといわれています。パーソナルコンピュータの時代は、1980年を始まりとして、まもなく30年を迎えます。すでに、誰もが感じているように、PC/ITの時代はピークを過ぎたと思います。そして次にでてきた新しいキーワードは、“ブロードバンドネット”です。ここに関わる事業が今後30年を制するのではないかと考えています。ブロードバンドは、皆が普通に生活の手段として使うインフラであるため、インターネットのようなブームとして収束はしないと考えています。
新産業は、その前段階の産業が作り出す副産物です。繊維工業で発達した機械技術は自動車工業の基礎となり、自動車工業の発達は、大量生産のための工作機械工業の発達を生み出し、大量生産管理事務はコンピュータのパーソナルによる事務処理の高速化をもたらしました。おそらく出版業の中で培われたシステムのなにかが、次のブロードバンド時代の根幹のひとつに変わりうると思います。
デジカル社は、従来の出版事業とは異なるルールの出版社を立ち上げることを目的に設立します。ゴールは、ブロードバンド(デジタル)と旧産業(紙、本)との融合である、“あたらしいモノ”を制作する出版社です。ただし、あらかじめここで明確にしておきたいことは、デジタルブック事業の最終形態は私にもわかりません。なぜならば、今考えて想像できるようなことでは、将来はたいしたことではないと思っています。
ただし現実をきっちりと見据えて経営する会社
まずは有限会社デジカルで培ったノウハウをもとに、新しい編集制作システムを構築します(後の事業の根幹ともなります)。同時にデジタルブック事業部門では、ノウハウの蓄積と人脈開拓からはじめます。編集制作システムで力を蓄え、増資を行い株式会社に変更します。同時にデジタルブック事業を軌道に乗せます。新しい編集制作システムを成功させて、そのままデジカル社は版元になります。
目的
1、紙をより機能ある道具として使うための商品・サービスの開発
1、著作物を紙、デジタルデータ、またその複合体として配布するためサービスの開発・提供
1、常に情熱をもって仕事に取り組める職場環境の研究・実現・啓蒙経営方針
1、第1に品質の追求、第2に信頼の獲得を目指し、不当な儲け主義を廃す
1、経営規模は、常に小なるものを維持し、大企業になるべき活動はこれを行わない
1、従来の慣習による下請け業態の固定化を廃止し、優秀な技術力を持つ個人に対して、相応の待遇で処するための活動を行い、相互に協力する態勢を整える
1、従業員は厳選した小人数によって構成し、形式的職階制を避け、実力本位、人格主義にのっとり各従業員の技量を最大限に発揮できるようにする
1、活動は国内に限定せず、世界普遍なサービスの提供を念頭におく
1、会社の余剰利益は、規定した方法により分配し、従業員の生活の安定についての助力を忘れず、自己の努力、研鑽が会社の功績、発展につながるような観念を徹底する
コメントを残す