評判もよいようなので見てきました。コミックもそれなりに面白かったのですが、そんなに大ヒットするものなのかと半信半疑で。

それなりに面白かったです。娯楽映画として十分楽しめると思いました。監督の名前は忘れましたが「のだめ」の監督だそうで、外国人を日本人に演じさせて日本語でしゃべらせるという斬新な演出が今回もしっかり活かされていて、漫画の実写化のひとつの完成型を作ったのではないかと、これはすごいなと思いました。

いろいろと細かく面白い演出がありましたが、なによりも阿部寛をローマ人にしたというところで全て決まったと思います。この主人公はタイムスリップしてきてからほとんどずっと独り言なのですが、それが彼の演技にバッチリはまってました。

途中で見ていて、ああそうか、これって彼主演のドラマ「結婚できない男」と同じだと気付きました(あのドラマは名作だと思う)。あのドラマでも、モノローグでお尻も出していたので構造的に全く同じですね(笑)真面目にとぼけたことをする役は天下一品ということだと思います。堺雅人さんもそうですが、顔の表情が面白いんですよね。

さて、今回見に行ったのは、面白いとはどういうことか。ヒットするということはどういうものか。ということを客観的に感覚をリセットしたいなと考えてのことです。具体的にコミック的な企画を考えていることもありますが、今いろいろと作っていて、自分には「面白さ」がまだまだ足りないと思ってのことです。

ひとつわかったことは、圧倒的に笑わせる必要がないのだということ。クスッという笑いが今求められているのではなないでしょうか。特に女性には。そういう努力が欠けているんだと気付きました。

さて、ローマと温泉については自分も大変興味があるので、その点で理屈っぽく男性目線で見ていましたが、そちらについてもそれなりに楽しめました。特に撮影セットは本格的で、調べてみたらHBOのドラマ「ローマ」のセットだとか。なるほど違和感が全くないはずです。

HBOの歴史ドラマは重厚でリアリティ溢れていながらもアクション満載で見ていて飽きません。このドラマは現代とは全く異なる価値観の社会風俗もリアルに再現しているので、ローマ好きなら是非見るべきドラマです。こちらはテルマエ・ロマエ以上にオススメします。