ある大学の先生と電子出版について話をしました。当然、最近の学生はという話になり、先生曰く、「映像だと理解ができるんだよ」ということ。

つまりある事柄について、ページ数にすると僅かなものであっても、文字が一杯だと難しい、マンガですら文字が多いと”黒くてだめ”というような学生でも、10分間の解説映像を見せると「先生、今日はよくわかりました!」ということのようです。

知識の集積という点では、やはり大学院にいくような優秀な学生は文章での理解が早いようですが、一般的な若者はもはやマンガでもなく、映像であるということ。

ここまでの話、わかる人には当たり前のことだと思います。

私が感じたことは2つ。1つは、将来的な電子書籍は、映像になるだろうということ。「あぁ良い本だった」といって、端末の動画ファイルを閉じる時代が遠からずくるだろうということ。

もう1つは、先生が決して「だから今の学生はダメなんだ」といわなかった、ということです。

特に後者については、先生の研究室を辞去したあとも強烈な印象として残りました。

若者は映像であれば理解が早いということであれば、積極的に映像教材を取り入れる。しかし、優秀な学生のためには、従来の研究手法同様に文章を主体とした教材での指導も行う。どちらもやる。学生に合わせてやる。

この何気ない会話から我が身を振り返ってみれば、至らぬ点ばかりと思いました。

本当の育成ができているのか? 残念ながらおまえのやっていることは、半端な思い込みでしかないと突きつけられています。