曲がりなりにも企画を生業とする編集者から企画実務のエキスパートたるべく経営者に転職したものとして、個人的にもっとも恐れる言葉がこれ。
分かりやすい企画倒れって「じゃ、近いうちに飲みに行きましょう」というやつだと思ってます。近いうちが1年たっても実現されないことは皆さんも良く経験されてると思いますが、この近いうちにっていうのが象徴するように、企画倒れの根本は実行する日付を設定しないことだと思ってます。
さて、当社でもっとも分かりやすい企画は書籍の企画、そしてハブメディア企画ですが、この2つの仕事の進捗を早めることが目下私自身の経営課題です。昨日はハブメディア会議だったのですが、会議後に河野さんと今後の方針についてミーティングしました。いま文章にするべくまとめています。
と思ったら関連するエントリーをアップされていたので、実行する部分で相当フラストレーションが溜まってらっしゃるのではないかとお見受けしました(笑)
でもその原因は当社にもあって、なんとか実務部隊として見放されないように頑張ります・・・。
ということで、社長としては、昨日から社員の企画力アップが課題なのですが、
1.アクションプランとデッドラインの精査
2.勉強と実践の動機付け
という観点から考えています。アクションプランとデッドラインは、もうお伝えしたとおり、やるべきこととその締め切りを約束して守るということです。だいたい企画やアイデア出してと言われてから「考えます」と答える人にこの概念が欠けていることが多いです。不安なのか、自信がないのか、理解できていないのか、理由はそれぞれでしょうが、いずれにしてもその時点で何も実行する気がないのは確かです。まずは「いつまでに提出します」でしょう。
ちなみに、すぐその場で「実はこういう企画(アイデア)が」と答えるのが私の求める最善の人材です。「じゃ、いつまでにそれやるの?」とその場で尋ねて答えてくれればどんどんスピードアップできますよね。
で、2.勉強と実践の動機付けの部分ですが、まず何を勉強するのか?
企画が進まない背景には、そもそも取り組もうとしていることに対して、自分のアイデアに自信がないとか、どうやってまとめて良いのか、もしくは考えていけばいいのか思いつきもしないという遠因があって、それはまぁ有り体にいえば日ごろから言われたことを言われた通りにやる部分にしか頭を使ってないということに起因すると思うのですが、そもそも企画が企画たるべき構成要因である、楽しいことや面白いこと、役立つことについての引き出しがないんだと昨日気づきました。
飲みに行くのだって、どういった面子にするのか、どういう店にするのか、いつ行くのか、どういったきっかけなのか(お祝いなのか慰めなのか)、場面に応じて組み合わせていく必要がありますが、こういうのは引き出しがなければ実現できません。ということは幹事やれない人間には企画は無理ですね。
これに関しては今日、ひろゆきの新著を読んだのですが、なかなか良いこと言ってると思いました。
人が面白いと思うことなんて変わってなくて、その本質をいかに隠蔽して新鮮に感じさせるかですから。それをやっているのがゲーム。ネットサービスもそれを組み込めば良いんです。P.222
この面白いと思うことについての引き出しが圧倒的に社員には足りません。何しろ朝から晩まで作業やってるんですから。映画どころかテレビすら見てないはず。もう全然ダメです。ああ、こりゃ儲からんわと思いました。
で次に実践ですが、映画みたりテレビ見たりを勉強だと思うと「見る」ことを頑張る人間がでてきます。「見た見た?あれ面白かったよね。」って、だから何がだよ。という点が勉強の実践で重要な部分です。どう面白いのか、なぜ面白いのか、もしくは面白くなかったら自分ならどうするのか。そういう考え方に必要なことは「観る」すなわち観察することです。
みんな見てて、観てないんです。この2.これから重点的になんとかします。
で、加えてもう1点。
3.徹底的に考え抜く厳しさをデフォルトにする
これは私に大きな責任があると考えています。これもひろゆきがかなりいいことを書いてます。し、実際私は耳が痛かった。
うーん。映画でもゲームでも、ものすごい予算をかけて、頭のいい人が構成を考えて作るわけです。
でも、ネットのサービスって、思いつきで作ったものがほとんどで、映画やゲームのように考え込まれてから作られていないものが多いんですよ。P.218
「あ、いいんじゃない。やろうよ。やろうよ。」というのを辞めます。基本やらせない(特に自分自身の企画)。ものすごい予算がない会社が生ぬるい企画やったら潰れるに決まってますね。特にメディア事業部は来週からこの路線で行きます。
でも、儲かる会社にしようと企画している社長としては、そもそも、こういったことをいちいち一生懸命教える必要のない優秀な社員がどうやったらどんどん集まるようになるか、という企画を徹底して考え実践していきますけどね。私は校長先生じゃないんで。
企画ってのはそう言うことでしょう。
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