この場合の編集者というのは、コバヘンさんの言う取次制度依存体質の編集者のことです。かく言うワタクシもその一人です。
編集者のポータブルスキルは、そのままウェブサイト制作において遺憾なく発揮されるわけですが、メディアを作る場においては、その出自が育んだ精神の部分で致命的なミスを犯す宿命を負っていると思います。
もっとも、ウェブメディアを作っているという人々の中にも同じ過ちを犯している人はかなり多いということも付け加えておきたいと思います。だから当社にもかなりのチャンスがあるぞと思ってるわけですが。
で、編集者が失敗してしまう大きな原因は、たとえて言うならば、著名な建築家が設計する分譲デザイナーズマンションを建てたくなる衝動を押さえられない、ということでしょうか。もしくはそういう提案しかできないとも。
よしんば賃貸マンション開発経営という商売に気づいたとして、高級といえばタワーマンションしか思いつかなかったり、どんな物件も駅近くじゃないとダメだと思っていたり、住人がその土地にその建物があってどう感じるかという観点が欠けている場合が多いと思います。
ものとして同じ形だけども商売が異なること、そして問題は形にあるのではなく住人の気持ちにあること。そのことに気づかなければなりません。つまりメディア起点の発想ではやばいと言うことです。
これを回避するためのキーワードは一攫千金を狙うのでなく、そこにいる人の気持ちをくみ取りさらにそれを満足をさせ、その結果としてきちんと資産を作っていくという概念だと思います。
その資産価値を高めるためにはB/Sを読めるだけでは×で、どうすれば高まるか、そのために何をするべきなのかを本当に理解していなければなりません。ということは、本物の不動産経営ではなく、自社の持っているコンテンツで資産価値増大を考えている出版社はこの先も安泰だということですね。その会社の編集者はウェブメディアでも成功するはずです。
先週ハゲタカを観てきました。非常によくできていて、最新トピックも上手くドラマに取り入れてあって関心したんですが、複雑な金融知識をいくら知っていても資本がなければ何もできないし、そのどちらがあったとしても、そもそも株主価値創造の本質がどういうことなのか理解し実践していなければ、その全てを一瞬にして失ってしまうということがよくわかります(でも、ほとんど理解できる人いないだろうなぁと思いましたけど)。これ成功するメディア作りの構造そのものだと思います。
メディアを作る技術で勝負をしたら3年しか戦えない。10年戦うなら、これからあれを相当勉強しないとやばいと思ってます。何を勉強するのかは、まだ社外には秘密です。
しかし、何よりも作るものがショボくて不味かったら何の意味もないので、妥協なくが大前提、技術もおろそかにせず向上させます。
コメントを残す