創業した月に次男が生まれました。3人目で少し慣れが出て緊張感を欠いていたということもあったとは思うのですが、自分が経営者として未熟な上に、なにより仕事が忙しすぎて家庭を振り返る余裕などなく、いろいろと病気をさせたりしました。3歳になるころですが、なかなかしゃべらないのでおかしいなと思ったら実は重傷の中耳炎で、まったく音が聞こえていないことに気づきました。
今はすっかり直って何の障害もないのですが、やはり大事な時期に耳が聞こえなかったのでしゃべり始めるのが遅く、普通に学校に通っていますが、週に1度特殊学級で会話の補助指導もしてもらっています。
実際多少はからかわれたりもするようですが、本人は不足するコミュニケーション力を補うように日頃ほんとうにニコニコしていて、私自身本当に不憫なことをしたという思いもあって、まぁかわいいです。
見ていると確かにしゃべりは苦手ですが、その分視覚的な能力は優れているようで、それを活かした仕事でもできたらいいんじゃないかと思っていますが、特にレゴが好きということで、上の子達のお下がりの大量のレゴを自由に組み立てて膨大なジャンク状態のレゴから、説明書もないのになかなか面白いものを作っていました。
しばらくは好きにやらせていたのですが、その様子を見てて、確かに自由な発想でモノを作るのもいいけれど、将来を考えたらこのままでいいのかなと少し不安になってきました。お茶の稽古もそうですが、まずはしっかりと型を覚えた上で、その上で所作について考えるという順番です。
本人もレゴの会社に勤めたいというぐらいなので、そんなに好きならと、レゴ教室というのがあって通っている子もいるということで検討したのですが、月謝が自分のお茶のお稽古より高いので、それはさすがにと見送っていました。
どうしたものかと思っていたときに、そうかと思い立ってプラモデルならちょうどいいんじゃないかと買い与えてみたら正解でした。なにしろレゴ教室の遙かに安い値段で一月ぐらいコツコツと指示通りの作業を続けられます。
最初に道具の使い方や作り方のコツや説明書の読み方などを教えてやって、あとは全部やらせました。
というと聞こえがいいですが、実は、よし最初は全部見本でお父さんが作ってやるからな!と勢い込んだのですが、腕を一本作ったところで疲れてしまい、「よしまた来週な」と言って終わらせようとしたら、このままじゃ埒があかないと思ったんでしょうね、自分でさっさと組み立て始めました(笑)
そういえば、自分も小学生のときに親父が一度だけ作ってくれて、さすがモノ作りのプロだというぐらい格好良くカウンタックが組み上がっていったのですが、あれも確か永遠に未完成のままでしたよ(笑)
ちなみに対象年齢15歳以上と箱書きにありましたが、途中少し手伝いましたが8歳でもほぼ組み上げられました。
正直なところ、14歳の長男もこれ一人で組み上げられるかわかりません。それは技術的な問題というよりは、コツコツ地道に、そして指示通りに、小さな部品を1つもなくさず最後まで作り上げるのはとても難しいからです。
このように、自分にとって「難しい」と思えるような大きなものをしっかりとコツコツと組み上げる。そして、それをやり遂げるところに成長があるはずだと考えていて、息子にはそんな仕事ができるようになってくれればいいなと思います。
1つ仕上がったので、今度はもう一つ最初から最後まで全部横で指導もしないから自分で組み立てなさいと渡しました。現在上半身まで仕上がっています。
プラモデルは2つもつくればもう十分だと思います。次に何を課題にしようかなと考えています。こうなると、もはやレゴも本当にただおもちゃでしかないです。
今度は本物の何かを作らせたいなと思います。
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