先月WOWOWで後半から見始めて気になっていたのですが、ようやく再放送があったので最初から鑑できました。「リーマンショックを機にリストラされたエリートサラリーマンが仕事や家族について見つめ直すヒューマンドラマ」です。
【ストーリー】
コングロマリットのGTXは、不況のせいで株価が落ち、大株主に会社を買収されないように、株価をあげる策を練る。その結果大幅なリストラを行い、株価の上昇をはかることになる。GTXのセールスマネージャーであるボビー(ベン・アフレック)は、12年も会社に尽くしてきたにも関わらず、リストラの対象になってしまう。たたき上げの年配社員、フィル(クリス・クーパー)も同じくリストラの対象に。社長の右腕で人格者の、ジーン(トミー・リー・ジョーンズ)は、何とか社員のリストラを止め、会社を立て直す方法を考えようとするが、自分もリストラされてしまい呆然とする。
妻と子供2人の家庭をもつボビーだが、買ったばかりのポルシェや家を手放すつもりはなく、生活のサイズダウンを受け入れることができない。大工である義理の兄(ケヴィン・コスナー)に、現場に来るように誘われてもプライドが邪魔をして、なかなか出向くことができない。しかし働いていないことの負い目やストレスから、次第に家族にあたってしまう。
仕事がすべてと思っていたボビー。そんな挫折を味わう夫を支える妻と子供たち。周囲の人々に支えられ、ボビーは一人の人間として徐々に本当に大切なことに気づいてく――。
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リアルです。主演のベンアフレックがアラフォーの設定なのもあって、一昨年の都落ちのころを思い出しました。
生活のサイズダウンを図るのは本当に至難の業です。自分自身、雑草で叩き上げだと思っていたので、そういうのは大丈夫だと思っていましたし、自ら撤退できたから大丈夫だろうとも自負していましたが、やはり一気に撤退というわけにはいきませんでした。
努力の結晶が一瞬にして瓦礫と化すこと、則ち挫折をどう受け入れて再生していくのか、自分自身挫折の多い人生だと思っていますが、先人の言うとおり、乗り越えれば乗り越えるほど、次なる山は高くなり、壁は厚くなります。今回学んだことは、まずは現実を受け入れること、そして本当に必要なこと、本当にやりたいこと、それは何かを考えてから行動することでした。
オールスターキャストの中、奥さん役の女優さんは初めてみましたが好演でした。実際にこういう場合、奥さんがパニクってしまうともうアウトだと思います。自分も振り返ってみて、水戸黄門のテーマを歌ってくれた家内がいなかったらアウトだったと思います。
それにしても、これは遠くアメリカの出来事ではなく、早晩日本でも形を変えて同じような光景が展開されるものと思います。
変革のポイントは経済的な断層をもって眼前に現れます。いち早くそれを受け入れられるかどうかですね。乗り越えると新たな地平が見えます。最近ようやく朧気ながら新しい日本はこういう未来像なんだろうなと見えてきました。いま事業構造を転換しているのもそこを見据えています。
この映画もそうですがポテンシャルがあるから今のポジションまで至っているはずです。たとえリストラされても、信念と勇気と情熱(と劇中の職業斡旋所で言っていた)があれば必ず「再生」できるので大丈夫でしょう。
しかし、それもこれも受け入れないと×です。いろんな人と仕事をして失敗も沢山しました。その失敗がまるで無かったかのように、もしくは隠して活動している人を何人かみています。
人それぞれ考え方もあるだろうと思うので私が偉そうになにか言えた義理ではありませんが、確かにネットでそれらしいことを語れば反応はあるでしょうけれど、その反応がリアルな手応えあるものとして感じられているのかどうか。
人を偽るのはともかく、自分を偽り続けると最終的にそういう自分のツケを一気に支払わなければならないときがくると思います。それは本当に大変なことだろうなと思います。
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