「どうして上手く回らないんでしょうか・・・」

随分以前に進捗の思わしくないプロジェクトについて相談したときのこと、その方はいとも簡単に答えてくれました。

「あー、それってみんなで片栗粉を流し込んで一生懸命とろみをつけてないか?」

サラサラと流れる清流のように、どんどん仕事が片付くように進めているはずが、途中で一生懸命片栗粉を投入している人がいて、いつの間にかねっとり絡みつく仕事になっているのではないかという指摘でした。

これは目から鱗で、なるほどよくよくみていると、確かに余計なことをわざわざ手間暇かけてやっています。

以前は、それをデスラー総統のごとく「君はバカかね?」の一言で片付けていたのですが、椅子のスイッチ一つで落とし穴が開く絶対暴君ならまだしも、一介の中小企業の社長がそれを言ってはお終いですね。本当にバカだったと思います。

このことはよく前沢先生にも助言頂くのですが、組織の生産性向上でもっとも難しいのがこの仕事から「とろみ」を取り除く仕事です。当人は、一生懸命真面目にそれもとても忙しそうにやっているわけですから、それを頭ごなしに言っては天に唾するようなものです。穏やかに丁寧に、そして何度も何度もお伝えしなければなりません。

こういう場面でよく引き合いにだされる山本五十六の「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、ほめてやらねば」のあれですが、あれは連合艦隊司令長官だから言えることであって、駆逐艦の艦長がそんな悠長なことやっていたらあっという間に撃沈です。

ではどうすればいいのか。答えはこれまた簡単なんですよね。仕組み化、マニュアル整備そして訓練です。

言うのは簡単やるのは大変。実行した人は本当にリスペクトします。

無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい (ノンフィクション単行本)

松井 忠三

出版年月日:2013-07-10
価格:1,470円
情報取得日時:2013-10-23 14:01

【読んだ】と書きましたが、読む前に先日のカンブリア宮殿を見たのでさらっとしか読んでません(笑)