スーパー経理部長が実践する50の習慣
出版年月日:2014-11-20
価格:1,620円
情報取得日時:2014-11-27 10:26
良い本でした。書いてあることに目新しいことがほとんど無かった=ちゃんとやれているな、という意味で。
この本に書いてあるとおり経理社員の「習慣」で会社は赤字になったり黒字になったりします。そして、その習慣を生み出しているのは他でもない社長の姿勢です。
ある作家の受け売りですが、人は受験、就職、結婚、育児など大きなイベントが人生を変えると考えがちだが、本当に人生を変えてしまうのは、起床時間や掃除や食事など日々の細々とした生活習慣だという話。
経理も1円の間違いは問題ですが、それ以上にどういう姿勢で「経理」と日々向き合っているのか、例えば報告内容一つとっても、その結語を経理担当がどう選択するか(または社長が報告を受けてどう対応するか)で会社の命運は決まります。
簡単にいうと対応すべき事態に対して、その処理の先送りを許すか許さないか、対応を諦めるか諦めないかです。このときに先送りしたわずかな時間の積算が赤字の原因だったりします。
プロフィールを拝見すると同年配の方のようですが、ずばり会社の利益の根源を「習慣」と見切っている著者の方はスゴイと思いました。
ひとつだけ読んでいてよく分からなかったことは、「人、物、金」のこと。著者の言うように「人&物、金」の時代になっているというのは、サービス開発をやっていてよく理解できます。
しかし、だとするならば原価をどう考えればいいのか? この数年この課題についてずっと考えています。ただ、著者のような先生でもわからないことを悩んでいても仕方がないので、これは実務家としては実証検証あるのみですね。
恐らくこの問題の整理の先に、脱高度成長の成熟社会に適した経営手法が見つかるのだと考えていますが、具体的にこれまでやってこなかった予算立案と原価計算手法で進めてみたいと思います。
ちなみに私は日頃から通帳を一切みていないのですが(というか創業来見た回数は片手ぐらいだと思いますが)、昨日はこの本の話で経理と話をしているときに、ズバリ今日の預金残高を当てて「さすが社長!」と言わせてご満悦。
社長は素晴らしいB/Sを作ることが仕事。毎月経営会議で穴が開くほど見つめているのでそれぐらいは大した話ではありませんが、味気ない財務諸表も事業計画とセットで考えていると、これほど面白いゲームはないなとつくづく思います。
結局、事業経営において儲かってお金が残るということは余得のようなものです。問題は、そういう習慣になっているかどうかですね。
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