数年前に堺屋太一氏の著書でこの言葉を知ってからずっと頭の片隅にあります。

ラスベガスを作ってしまうアメリカ人と、高速道路を作ればいいと考える日本人 2009年4月27日

5年も前に書いたことなので、読みかえすとかなり恥ずかしいですが、ほぼいまでも同じ考えです。

電子書籍はデジタルコンテンツビジネスのコアの1つと考え、原野を開拓すべく様々取り組んでいますが、やればやるほど、これは果てしない宇宙のような真空空間ではないかと感じています。

実際のところ一生懸命本を作って出してみても、電子書店の数は数えるほどしかないにも関わらず、まるで砂漠に水をまくような手応えの無さであり、いち購読者としても本を探すとなればジャングルで縫い針を探せと言われ途方に暮れるような感覚です。

その広大な空間でコンテンツを送り出すにあたって、ある程度のまとまりを作りそれを一気に作り上げ展開するという方法を考えてやってみたのですが、いくらか上手くいって認知されるものが幾つか出てくるようになってきたところで、これを継続的なビジネスにするためには、さらに根本的なところから設計をしなければならないと実感しています。

というところでのコンセプト・アトラクティブスです。要するに人が集まる「場」を作るための要素を数え上げ、それを開発目標として設定すればいいということだと理解しましたが、この考え方自体は観光誘致が目的ですから、電子書籍を展開するには少しアレンジが必要なようです。

そこで、電子書籍の役割を、人に知られていない知見、見識、経験を広く人に伝えるコンテナと定義して、そのコンテナが集まるようなコンビナートを設計開発することにしました。いよいよ今月からそのコンビナートの建設とコンテナの規格を決める企画に着手しています。地味な仕事ですが地殻変動的にジワッと将来の革新に繋がるような仕事にしたいなと考えています。

そうやって考えると、いま流行っているニュースアプリなどはやっぱり私からみると高速道路開発的な発想ですね。そこが日本らしいというか、確かにすぐに大金が動くので魅力もわからないではないですが。