必要な段階になってきたので経営理念の明文化に取り組んでいます。

経営書の中には、最初に経営理念をまとめよ、などと書いてあるものもありますがあれは嘘です。無くても会社は経営できます。ただ、目前の売上を作るためだけのハードワークには限界があります。そして少し目端が利くぐらいでは、せいぜい10年やるのが精一杯だと思います(と思いました)。

この1,2年ほど、新しい取組と同時に採用活動も頑張ったお陰で平均年齢も30代前半まで戻りました。また会社の財務体質も良好な状態にしましたので、ここでさらに一歩踏み込んで将来に向けて盤石な経営基盤を築きたいと考えています。


デジタルクリエイティブな仕事に携わってちょうど20年になります。DTPからスタートして、企画編集とデザインの仕事で本やウェブ、アプリや電子書籍など作ってきました。続けてこられたのはひとえにこの「創る」仕事が好きだからです。これを辞める気は毛頭無いので今後も続けていきたいと考えています。

一方で、アウトプットが書籍というリアルなモノであったことも大事にしていこうと考えています。今後新たに新規事業を立ち上げますが、その場合も何か実際に「モノを作る」仕事に関与していきたいと考えています。

そして、これらの仕事は、手がけたモノやコトが売れて(喜ばれて)さらに楽しい仕事になります。この10年で気付いたことは、その点においては事業経営者は編集者の比較にならないほどやり甲斐があるということです。

企画した事業の成果として、社員の給料がアップし、余裕をもって休みが取れる環境を提供できて、それによってさらに新たに全員で面白い仕事(大きな仕事)にチャレンジする希望ができる。今はこの好循環を自社や関与する企業に拡大させていくことを考えています。

楽しく創造的な仕事で豊かな生活を築く

実は社内が若返り自分の子供達が高校生になってきて改めて感じていることですが、過去しかない、金しかないことほど貧しいことはないですね。業界の最盛期から黄昏れ衰退している状況を間近にみてきても思います。

そして初期的には目前の生活維持のため必死にやる段階が必要だとしても、新しく創造する仕事の先にしか本当に豊かな生活はあり得ない。また持続可能な事業も生まれない。いまはそう確信しています。

しかし、楽しく創造的な仕事で豊かな生活を築く、という言葉だけでは綺麗事に聞こえます。実際にありのままの今現在(つまり何もないところ)から、素直に未来を見据え理念実現に向かうとなると、そこには甘い考えや緩い判断を許さない、より厳しい経営が求められると感じています。