先週末は、那須塩原温泉の山寺にこもって研修ならぬプチ修行に参加してきました。もう30年以上続いている企業研修なのですが、クライアント社ということでいちおうお客さんとして加えてもらいました。

お客様といっても事前に何の説明もなく、集合場所の東京駅のホームで「この新幹線に乗って下さい」と、那須塩原で「このバスに乗ってください」以外になんのアテンドもなく(それには理由があったわけですが)、お寺に着けば着いたで、いきなりみんな黙々と着替えて本堂に集まり(必死について行く)、そのまま般若心経を唱えたと思ったら住職から2泊3日頑張ってくださいと簡単な挨拶が終わると、宿泊場所である境内にある会館(といっても50畳ぐらいの単なる大広間)でちょっとだけオリエンテーションがあって以降、誰も何にも教えてくれず(一応客なので聞いたら教えてはくれるが)、こんなに心細い思いをしたのは小学生のときに、一人学外の離島キャンプに参加させられて以来のことです。

次の朝から作務があって私は境内の掃除担当だったのですが、これもまた何をすればいいのかも全く教えて貰えず、ようやくここに来て「ああ、周りを見て考えろということなんだな」と気づきました(遅い)。

配られた日程表には休憩時間というものが一切なく、大声禁止、横になるのも禁止。そして座禅、作務、食事、研修の繰り返しです。

その研修といっても、経営者歴30年ぐらいの企業経営者が一人あたり3時間強という超ハードな研修が3本で(それも座敷に座布団の上に3時間)、はっきり言って、いままで研修と名がついていたものがなんだったんだ、というレベルです。

今回初めて座禅を経験しましたが、内容は25分座って5分休憩を3セット。早朝と夜の2回、研修通じて計5回経験したのですが、これはなかなか難しく、数を数えて集中しようにも簡単にはいきません。後でご住職から聞いた話では、最初に眠かったら寝てしまうのがコツだとか。だんだん体がなれて座れるようになるのを意識することが大事なようです。調身、調息、調心。簡単なようでとても難しいです。

で何よりもこの研修でもっとも面食らったのは食事です。厳格なしきたりがあって、1.音を立ててはならない 2.箸をつけたものは残してはならない 3.必ずお椀を持って食べる 4.素早く食べる といったもの。「驚かないでください」と事前に説明されてはいたものの、50人の人間が一斉に食器を置く音を一切たてずに一心不乱に食べる、その光景だけで圧倒されました。

最近は割と食事を食べるのは早くなったと思っていましたが、まったく全然話にならないスピードで、隣に座っていた女性の方があっさりと食事を終えているのを、横で必死に食べるという(泣きたい思いをしたのも久しぶりです)。

結構スパルタに育てられたので、厳しいのは慣れている、と思って甘えがありましたね。本当の雲水の修行はこんなもんじゃなく、吐くまでご飯を食べさせられたり、薪で殴られたりするそうですが(住職談)。

なんか、あれこれ伝えようと思って学校の感想文みたいなエントリーになってしまいました。具体的な成果については、いろいろな話に織り交ぜて少しずつお伝えしていこうと思います。