週末は、必ず買い物に付き合ってます。といっても家族サービスというよりは、いろんな店舗を見て回るのが好きなんだと最近感じています。

よく行くのはもちろん近所のサミットですが、芦花公園の大型店と千歳台の小型店の違い(どっちがポイント5倍なのかで行き先が変わるわけですが)、シミズヤ(外国商品)やオオゼキ(魚が美味しい)のような特色のあるもの、クイーンズみたいにちょっと値が張る商品があるお店、そしてイトーヨーカドーやオリンピックのような何でも揃う店まで。

その日の気分や渋滞度合いであっちに行ったり、こっちに行ったりしてますが、店舗ではあんまり値段は見て無くて、どういうお客さんがどういうものを買っているのかが非常に気になり、そっちを観察しています。たぶん客観的に見て行動が非常に怪しいですね。あとスーパーではないですが、最近はニトリとIKEAをはしごしたりしてます(これも結構面白い)。

と、そんな感じで小売流通の現場には多少興味があるところに、先日の経営研修で流通の大ベテラン経営者の話を直に聞いたものだから大変な触発を受けました。素人が聞いた流通の経営論をここにまとめて書いても意味がないので、自分がこれはいい参考にしようと思ったところだけ下記に。

いろんなスーパーに行っても、必ず共通しているのは売り場の作り方ですね。もう一般人でも常識ですが、入り口から「青果」「肉魚」「加工食品」というようにコの字型に配置されています。

青果肉魚といったベーシック商品が収益の基盤です。これが儲かるようにすればいいのですが、素人考えではすぐ販売力強化となるところを、仕入れネットワークの構築で単価を下げるのがミソです(言うのは簡単)。加工食品については、「お客様が作るよりは、経済的でかつ美味しく」さらに「健康」を考えているものが売れます(当然だけど、それが難しい)。

スーパーの従業員育成についても、お客様の回遊に合わせて「青果」「肉魚」「加工食品」というように段階を追って成長させていくことで知識や経験が積み上がっていくように成長させるべきというお話でした(これも言うのは簡単)。

以前、ショッピングモールのような会社にしようと書いたのですが、こういう話を聞いて、そのさらに基本となるスーパーみたいな会社から始めれば良いんだと思い直したのですが、具体的にはどういうことか。

仕入れネットワークで単価を下げるという点においては、以前は外注スタッフへの発注単価を引き下げるようなこともやっていたのですが、1年前からそれを一切止めて社内スタッフの生産性向上に振り向けることにしました。なぜなら、単純に価格勝負していくと中国人のDTPに絶対かなわないためです。

食材を新鮮なうちに加工してパックし並べるために努力するように、品質とスピードを徹底的に学ばせますが、このときに制作スタッフだといって、制作だけやらせることも止めました。ロボットを育てているわけじゃないからです(まぁでもこの真意が現場には全然伝わっていないみたいですが・・・)。

次に段階を追うという点においては、どういう会社でもそうでしょうけど、制作、編集、企画と段階的に全部経験させようと思っています。ちょっとずつ上の工程の仕事を経験させていって、次第にその案分を変えていくというようなものです(当然、当社の場合は、ウェブ制作運営もそこに入っています)。

で、最も重要なことは「加工食品」の部分です。これが社員の考えが全く統一されておらず喫緊の課題です。言うまでもなく当社の場合の加工食品は、本とウェブを組み合わせたサービスになるわけですが、社員にまだまだ自信がないためか、本だけ、ウェブだけの議論が進んでいます。とりあえず各部門でサラダパックや挽肉みたいな素材ごとの加工食品は作っていますが、買ったらすぐに食べられるお総菜にはなっていません。

スーパーの総菜が「お客様が作るよりは、経済的でかつ美味しくさらに健康まで考えて」作っているように、徹底的に研究し腕を磨いたものになっていなければなりません。が、今現場から上がってくるメニューを見ていると、校正ができます。デザインができます。ウェブが作れます。というような部分適合の話ばかり。それこそ、各々の分野においては、お客様のほうが旨いものを作っている可能性があるという世の中の現状が全く見えていないようです。ここを意識してもらえるようにしなければと考えています。

日本のサービス業は20年前から生産性が上がっていないというのは、どういう統計を見ても明らかなことですが、それを改善している会社はこの不況下でも収益を伸ばしていて、先生方の話を聞いていると、どうやら共通することは、これからの価値創造の根幹は複合機能だろうということ。例えば飲食店が販売もすれば宅配もするといったようなもので、今取り組んでいる出版サービスの開発も私の中では複合機能の実践なのですが、現状はまだまだ部分適合しかしていないのが実情です。これを一体となって機能するようにしない限り絶対に儲からないので、ここに集中して取り組むつもりです。

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