今朝ほど、あるライターの方からお電話頂きました。社員が仕事を依頼している方で私は面識がなかったのですが、意を決して電話してこられた様子で、何度も担当さんに連絡入れているのに振込についてなしのつぶてです。どういったことなのでしょうか?という内容でした。

寝耳に水とはこのことで、これまで請求で煮え湯を飲まされたことは数知れませんが、支払を滞らせたり、連絡を入れなかったりということは絶対にしないように、あえてこの規模の会社でも徹底的に管理会計をしていたはずが、それもそういった問題があるという事前の報告もなかったので、動転しながらひたすら平身低頭の電話でした。

すぐに調査したところ、連絡の行き違いと返事のし忘れ、それに監督者同士(現場と管理)の縦割りで無責任体制という、大企業病の典型的な症状があることが判明しました。頭にくるというよりも、これまで自分が一生懸命やってきたのは何だったのか・・・と、いっきにガックリときてしまいました。

人は信用するが、仕事は信用するな、と頭では分かっているつもりでも、現場では結局、人を信用するという名目で、仕事の管理が一切おろそかになっているという体たらく。これほど社員育成における社長の責任の重大さを痛感したのは初めてかもしれません。

つい先日、職場環境改善を考えている中堅社員連中が、社員育成は放任がいい、などとしたり顔で言っていたこともあって、まさにそういった無責任な気持ちが、こういう事態を招いているということを目撃することになりました。もちろん、言うまでもなく、そういういい加減な中堅社員を放置していた社長の責任です。

ライターの方は非常に丁寧な応対で、「こんなに少額なのに騒いですみません」と仰っていましたが、どういう気持ちでそう言うことを仰ったのか、痛いほどその気持ちがわかるだけに、本当に申し訳ないことをしてしまったと思います。

少額といってもそれだけのお金を稼ぐのにどれだけの苦労があるのか。そう言うことをちょっとでも考えたこともなく、単に書類を提出すればいい、提出されていないから処理しなくていい、そのような手前勝手な判断で仕事としている、適当にやってても給料は出る、といったぬるい環境にしていた社長の責任だと思います。

自分がもらった給料明細が何の連絡もなく、ちょっとでも減っていたらどれだけ頭に来るか。そういう経験もないから他人の気持ちも分からないのだろうと思いますが、要するにそういう適当な気持ちで働いていて、給料だけはちゃっかりもらっている(自動的に出ると思っている)わけです。

金額の多寡の問題ではありません。ヒヤリハットの法則でいけば、きっと相当いい加減な仕事が現場で眠っているはずです。もう一度最初からやり直そうと思います。