ただ、ここに書かれていることはとっくに現実になっていて、その現実を受け入れられるかどうかで、出版社のネット戦略は大きく違うものになるだろうということは想像できます。
いろいろなレビューを読んでいると、みなさん本書の造本について感心されておられて、さすがこばへんスゴイという感想なのですが、私も小林さんは、書籍や雑誌というデバイスには大変愛着を感じておられるのだろうし、それが絶滅するなどということは全く考えておられないと思います。これからもいい本は売れ続けるだろうし、新聞や雑誌はなくなるかもしれないけど、本は絶命しないだろうと思います。
小林さんも冒頭で、出版業界を取次制度依存業界に過ぎないと断じ、出版という言葉を再定義しようと仰っているとおりで、新しい出版をやっている出版社もあれば、どっぷり依存体質でやっておられるところもあって、後者の場合ネットメディアの現実を受け入れたら会社自体が成り立たないんじゃないかと思います。少なくとも依存体質の会社はネット戦略(ってどんなのか分からないけど)でなんとかできる範疇のことではないかと。
デジカルとしては、いい本を作っている出版社とは引き続きお仕事をしていきたいし、自分たちでもネットメディアも作っていきたいし、ネットメディアを作りたい人とも一緒に仕事をしていきたいし、そのこと全てをひっくるめて新世紀メディア論の「出版」と理解しています。
コメントを残す