これまでも様々な壁にぶち当たってきましたが、なかなか越えられない、それでいて全貌も完全に把握できない、そういった得体の知れないなんとも言いようのない障害というか、そういったカタマリに直面しているというか、頭の上から押さえつけられたような、そういう巨大なプレッシャーをこのところ感じていました。

ネットを使った直販出版社を立ち上げたいと言って独立したのが7年前、それを実現するために河野さんに協力をお願いしたのが5年前。そしてメディア事業部を立ち上げると決めて2年。ようやくウェブサービスの開発が実現しようかという目前になって、自分に圧倒的に足りない課題点を目前に突きつけられて少々立ち尽くしているところです。

振り返ってみれば、かなりのことを達成してきてはいるのですが、今ひとつ突き抜けられないのはなぜか? 実はそれが、これまで必死になって工面してきた資金でも、取り入れに必死になってきた技術でもなく、事業のコンセプトそのものにあるという、極めて当たり前のことに思い至りました。いや、もちろん、それなりのコンセプトは持ち合わせてはいたのですが、突き抜けるほどのものに昇華されていない、そしてそれをわかりやすく上手く伝えられていない、そこに問題の根源があることがわかりました。

長いこと資金繰りやら、人材の工面やらで右往左往してきたわけですが(もちろんそれはそれで非常に有益な得難い経験を積んできましたが)、壮大な回り道をしてきて、結局最初のスタートラインに戻ってきているじゃないかという(笑) 今日はツイッターでも弱ってるなどとつぶやきましたが、なんというかお釈迦様の手のひらで暴れていたことに気づいた孫悟空というか、そういう虚脱感に襲われました。

ところで、「龍馬伝」人気ありますね。近年長らく、あのピカピカした画面がいやで大河ドラマを見てなかったのですが、龍馬伝は良い感じです。まぁちょっと汚しすぎだろとは思いますけど、リアリティを追求するところはいいですね。でも、実は肝心の坂本龍馬ってあんまり好きじゃないんです。好きじゃないというかほとんどこれまで興味が持てなかったというか。

龍馬は船中八策で維新のコンセプトメーカーみたいな感じに言われていますけど、本当にほんとう?と思ってる派です。あの時代、同じようなことを考えていた人は他にもたくさんいただろうし、龍馬が際だってということでもないだろうしと。

で、ドラマを見るようになって、改めてどうして好きじゃないんだろうと考えてみたんですが、どうも脱藩して右往左往している様子が自分にダブって見えて、なんだか見てて辛いというか、それで最後暗殺されてお終いか?とか、そんな歴史上の人物と自分を対比して大それたことですけど、どうも生き様というか勢いだけでなんとかしようと思っている感じのところが(自分もそういうところがあると思うので)好きじゃないんだろうなと思います。

もう20年付き合ってる家内にも最近「なんでずっと付き合ってるわけ?」と冷静に聞いたことがあるのですが、「関わると大変だけど、見てる分には面白い」だそうで。ははは。右往左往してても、なんとかやっているだけで立派なことなのかもしれません(笑)

ま、龍馬にしても、曲がりなりにもあるべき新時代について的確に言葉に書いて残したということは偉大なことに違いないわけで、そんな言葉一つもものにもできていない自分が言うことではないですね。龍馬という人は凄いと思います。もっときちんと知ろうと思います。

あれこれ書いていますが、要するに電子出版のプラットフォームを作っています。

自分がほんとうにやりたかったことの1つをこれで体現できるだろうというような仕組みを、すでに作ってもらっていて、今日もちょっとテスト環境を覗いてみましたが、ちょっとずつできてきています。あ、ロゴなんかも作成中です。現在はモックアップサイトとしてひとまず動くものを作っていて本番用にはもうちょっと工夫が必要ですが、それも河野さんとやりとりをして大体の構想はまとまったところです。

この間、ちょっと嬉しかったのは、5年前に河野さんに初めて会いに御茶ノ水のスタバに出かけたときのことを覚えていてくれたことですね。あのときに話し合ったことを実現できるような環境がようやく整いつつあると、河野さん曰く、ワインで言えば飲み頃になってきていると、私もそう思います。

正直なところ、SEIHAという当社にとっては、どでかいプロジェクトもまだ実現途上のときに、もう一個プロジェクトをぶち上げるのは腰が引けるところもあったのですが、ここで手がけなかったらいつやるのか?ということで。

32books.jp

すでに直接お会いしている方々には執筆のお声がけを始めておりますが、興味をお持ちになった著者の方々ともっとお話をしたいと考えています。といっても、サイトができあがっていないのでまだ確定的なことを言えない部分もあるのですが。

なんとも泥臭いやり方ですけど、やっぱり元編集者としては、面談して企画を話してというようなアナログな部分を通過しないと、アップロードしてダウンロードして、はい売れました、というのはなんだか出版じゃない気がしています。