6月になりました。これまでやってきた仕事、全く新しい仕事、未経験の仕事、渾然一体となってますます複雑さと困難さを増しています。ということで、それに真正面から向き合っている限りですが、デジカルはさらにまた成長し、そして少し変わります。

取り組んでいることにきちんと成果を上げることはもちろんのこと、今度は社員の働き方、組織のあり方について、より時代に即したものに転換していかねばと考えています。何か物事がわかったかのような物言いですが、今わかっていることは諸先輩方のアドバイスのうち、いわゆる製造業モデルの組織作りが全く通用しないということ。思い返してみると最初に勤めた会社の社長も組織作りに苦労されてたなと思います。なんでそうだったか今ならわかります。いや、批判するのは簡単です。自分も随分反発してました。でも、じゃあだからといって、あるべき組織のあり方ってどういうものなのでしょうか。これを考えるのは非常に難しいです。一人あたりの生産性を上げるしかないのですが、それをどうやって実現するのかです。

余談ですが、申請していた助成金。受給申請の手続きがあまりにもバカバカしくなってもう止めようかと思っています。書類の整合性(ていうか鉛筆なめなめ書類の間違い探し)しかしていない雇用能力開発機構とかいうところは、もういらないんじゃないですか。皆さんの納めている雇用保険を活用しましょうとかいってましたけど、そのみんなの雇用保険で雇用能力開発機構の人間の雇用を作ってるだけじゃないのかと。
助成金配る作業をサービスとするなら、事務所の実態がどうかとか細々と書類をかかせて仰々しく面接なんてやらずに、ちょっとやってきて実際に見たらいいだろうと。助成金申請とかで手数料を取る侍業とかもあるようですけど、なんか壮大な無駄なんじゃないかと感じてます(まぁでも、それをいちいちやっている自分が一番バカでしたね)。

もうひとつは、出版を巡る環境はさらに個人の時代になってきているということ。もっとも、編集者という仕事については、ずっと昔から個人の時代ではあったとは思います。売れる編集者は今も昔も何ら困ることなく(もちろんものすごく努力されていますが)仕事を続けていますので、市況がよかったときにはわからなかったことが、だんだんと縮んできてより鮮明になってきているのだろうなと感じています。是非もありません。

しかしこれからの出版で個人の時代ってどういうものなんでしょうね。まだ私自身よくわかりませんが、際だった例だと思うのがホリエモンのメルマガじゃないかなと。彼のメールマガジンを購読していますがとても面白いです。内容の濃密さや深み、何よりも読者に対する彼のサービス精神をみていて、個人でメディアで商売するならこれぐらいやらないとダメなんだろうなと。毎週月曜日に送られてくる超長文のメルマガ3通を読みながら、それだけで劣等感に苛まれるというか、正直凹みますね。ほんとスゴイよ。

そんなことを考えながら、この6月はチームの作り方を少し変えていこうと考えています。これまでチームワークを意識するがあまり、プレイヤーとして独り立ちできていない社員が多いのに、強制的にチームを作ってしまったがため、特定のプレイヤーに大きな負荷をかけてしまったという反省に基づいています。

この点、今後は経営の教科書通り、社長が一人で把握できる上限と言われる社員数になるまで、個別に伴走して仕事を1つ1つ作り上げていくしかないと思っています。これまでもやっていた「つもり」でしたが、貫徹していなかったようです。これ、効率を考えたら非常に悪いわけですが、実際の効果が問題なので、誰にどういう素養があって、どういう仕事をしてもらうのがいいのか、その詳細を見極めてこつこつと組織を作るしかないんだろうなと思っています。

まぁその課程であがいているうちに、新しい時代の組織作りがどうなのかわかるのでしょう。短期的に考えると全然儲からない気もしますが、中長期で結果を出そうと思ってやっているので、今はこれでいいと思っています。そういう視点で改めて社内を見回すと、みなそれぞれに強みがあって、そこをきちんと伸ばせるようにしていない社長の責任というのは重大だなと思いますが、非常にやりがいのある仕事というか、無いものを作るというのは楽しい仕事ですね。