先日、星野リゾートの星野社長の講演を聴く機会を得ました。わずか1時間の講演でしたが、大いに刺激を受けました。時間が短いため駆け足の説明で、メモをする間もほとんどなかったのですが、結局メモに書いたことを反芻するよりも、突きつけられた難しい宿題をずっと考え続けています。

その一つが、顧客満足度を高めることが本当に収益向上につながっているのか?ということです。

誰もがこの問いを投げかけられたら、そんなこと当たり前じゃないかと思うでしょう。しかし、どういう理屈でそれが実現できているのか、社員は、はたまた社長は、論理的に説明することができているのか?と問われたら、実はブラックボックスになっていませんかということです。

具体的に言えば、「サービス品質の向上」と「コスト削減」という二律背反した問題をどう解決するのかということです。残念ながら、当社の社員の多くも、どちらかをやったらどちらかがを犠牲にしなければならないと考えています。いや、まだそう考えているのはましな方で、自分たちはこんなに頑張っているんだからと、そもそもさらなるサービス品質向上をしようとか、一層のコスト削減をしなければならない、ということすら考えていないのが実情です。

そういう大事な本質が社員に理解されていないのに、いくら社長が一人頑張るぞーって言ったところで、何を頑張るのか?ということですね。

どうやったらこの難問を解けるのでしょうか?何を基準に考えたらよいのか、ブラックボックス、すなわち営業の暗黙知は見える化されて共有されているだろうか。そのように考えていくと、経営というのは本当に科学的な存在だなと実感します。

さて、ブラックボックス化回避のための結論は、業務の標準化と数値による管理および評価の見える化、社員が絶えず問題を自分で解決するように考え続ける習慣をつける、ということだと考えています。これからこの2つをセットで実行します。特に労働集約型の事業が中心の当社では、業務の標準化と評価の見える化が急務です。

「サービス品質の向上」と「コスト削減」、どうやって実現しますか。