先週の木曜日に取引銀行に決算報告に行ってきました。すでに先月には書類が揃っていたのですが、SEIHAのことでドタバタやっているうちに予定より一ヶ月遅れてしまいました。
この決算書提出は、普通決算が終わったころに銀行が「どうですか〜」と取りにやって来るのですが、3年ぐらい前から出向いていって拙いながらも事業計画も併せて提出しています。
今年は初めて赤字決算書を持って行くことになったので、さてどうしたものかと考えました。正直行きたくないですよ。黒字だったらもうシャンシャン総会じゃないけど、「いやいや」「どうもどうも」で終わることなんですが、要するにテストが赤点なわけでもらった方も心配します。
そりゃいろいろ言い訳はできます。出版業界が斜陽だとか、新規事業の商品開発につぎ込んでいるとか、そもそも今日本の会社の75%は赤字会社だとか。でも、そういうの言ったところで赤字は黒字に変わりませんからね。なので、きちんと安心してもらうためにも、いつも以上に気合いをいれて事業計画書を作って持って行きました。あれこれ文章として書きましたが、こういう場合必要なのは損益計算書の見通しですね。数字の見通しをキッチリ出しました。
曲がりなりにもそれなりに会社が運営できているのも、ひとえに銀行が運転資金を融資してくれていたからです。どんなに偉そうなことを語ったところで、資本主義の世の中、資金が回らなかったら何事も事は起こせません。新しく事業を興すために人を雇うとき、材料を仕入れるとき、いろいろなサービスを利用するとき、それだけでなく、今のように社会構造が転換していて人びとが不安を前提に資金の循環が停滞している時期、社員全員が食べ繋いでいくためにもこの運転資金というのはより一層重要な意味を持っています。
本来的には事業収益を再投資して新しいビジネスを立ち上げるべきなのですが、そうは問屋が卸しません。すでに3年前に蓄えた純資産はこの1年で全て吐き出しましたが、それでもまだメディア事業部は完全に立ち上がっていません。もうあと一息なのです。と、そういうときに融資で調達してきた資金が生きてきています。
なので、いまになって本当に借りなくても良いときに好条件(というのは超低金利)で沢山借りておいてよかったと感じています。まさに晴れたときに傘を借りておいてよかったのですが、そうやって資金調達のチャンスに恵まれていたのも、ベンツ買ったりせずにずっと現業の収益を社内留保していたからで(つまり借りてくださいといわれるような会社にしていたためで)、本質を損ねなければ何事も開く道はあるものだと思いました。
で、そうやって緊張しながらも2行まとめて訪問したのですが、結果としては拍子抜けといいますか、逆に盛り上がって帰ってきました。というのも、ちょうどここに来て銀行の担当者が皆一斉に変わったというタイミングでもあったのですが、引き継ぎのときに「毎年こうやって決算書と事業計画書を持って来ている」ところがきちんと申し送りされていたらしく、大きく評価していただきまして、今回は新しくメインになったほうの銀行では、新宿法人営業支社の支社長さんにお会いすることができました。
これまた見事なタイミングで、その前の週に、その銀行が初めて主催して開催した事業計画立案セミナーに担当の方のお誘い(お付き合いね)で参加していたんですね。ちょうどその支社長さんもそのセミナーの開催の挨拶に来ておられたので、
「いや〜会場がすごかったです。大手町のど真ん中で。」
「ははは。あそこは大手町一丁目一番地。○○銀行の旧本店ですよ」
「あ、そうなんですか。入り口でビビりました。」
などたわいもない話をしていて
「まぁそうはいっても事業計画書作るってのは100億企業だからね。あはは。」
なんて支社長さんが話をしていたら、担当の方が
「いや、それが社長さんはこうやって毎回作って持ってこられているんですよ。」
と言ったものだから、
「えっ(なんだって)?」
と真剣に目を通してもらえることになりました(笑)
その後、雑談も交えて30分ぐらい支社長さんと話をできただけでなく、今銀行にどういうお金がどういう形でどれだけ余っているのか、どうしてそれが動かないままで、どうやったら動くのかというお話と、そのロジックでいうとこういう企業がこういう取り組みで成功しているよという話と、ついでにSEIHAのプレゼンをしっかりさせてもらい、SEIHAのどこに商機があるのか(どこに着目したか)もズバリ教えて貰えました。これはいままでいろんなところでプレゼンした中でも一番の収穫でしたね。
で、その内容なんですが、もの凄く儲かる話だからもったいなくて人には言えません(まだ河野さんにも話をしてない)。だからこのブログにも書きません(笑)
ほんと我ながら毎度毎度、運が良いなと思います。もう一行のほうも新しい担当の方に切り替わったところだったのですが、これまで5年間ずっと担当だった方に毎年挨拶にあがっていたので、やはりこちらもその積み上げが効いたようです。にこやかに談話しただけでなく、同じくSEIHAのプレゼンもさせていただきました。いろいろ質問されましたが、あれこれ答えていたらやっぱり「これは面白い」、「これはいい」、という評価をいただきました。ついでに3月でセーフティネットが終了するので、今のうちにもっと借りた方が良いと言われたので(まぁ営業されたわけですが)借りておくかもしれません。
ちょうどその前日には、多忙な中イライラしながら一年がかりで準備してきた雇用関係の助成金も認可が下りて、それが今月給付されると連絡がありホッとしたところです。わずかな資金ですが、それでもこの売上が減っている時期には貴重な真水収入源で、これもまた執念の資金調達が実ったなと感じています。いや、実際にはまだまだ資金は足りませんが、この1年右往左往しているうちにいろいろノウハウが積み上がった気がします。
いま社員のみんなは大量の案件を捌くのに必死ですが、少なくとも直近の資金面では全く何の心配もないので今度の正月も無事安心して迎えることができます(賞与が出せないのは残念だけど)。ということで、このままさらに仕事に邁進してもらいたいと思います(笑)
ともかく現業で十分な収益が上がっているのであれば、こんな苦労はしなくて済むわけで、やっぱり会社というのは収益力が高いことが一番大事だなと改めて感じています。商品開発を続けるためには資金力が何よりも必要。今年はこれを学びました。今回銀行ではいい話を聞きましたが、このまま手綱はゆるめず邁進していこうと思います。
今期は、前期の反省にたって、絞り込んだ経営をやっています。事業計画通りに収益化できれば、下期はかなりの賞与出せます。で、先日も書いたとおり、全社一斉に休んで攻城団ツアーやりたいです。
リスクは大いにありますが好きな仕事を続けて、儲かったお金は自由に使えるので、やっぱり事業ってのは止められないなと。風邪気味お疲れ気味ですが今年も残りひと月ちょっと頑張りたいと思います。
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