昨日は経営者JPのトークライブ「経営者の条件」第7回の収録に出かけてきました。ゲストは、Google日本法人の村上元社長。いずれ経営者JP CLUBで音源販売されます。

Googleといえば人材採用で、その辺りの話ももちろんありましたが、巷間話題になっているような20%の時間配分とか社員が社員を採用するとか、オフィスがどうだとか、そういうことって表層的なことだと一刀両断で、経営は原理原則に尽き、効率的なマネジメントは幻想というような話を聞いていて、やっぱりそうかと思いました。最近薄々気づいてはいたのですが、本当に優れた会社には計算された高度な経営戦略なんてないと思います。

顧客の要求に合わせて社内を混乱させ、混乱の中から新しい体制を築く。

最近はこのことだけを考えています。なぜそんなことを考えているかというと、デジカルを高収益企業に転換したいと考えているためです。なぜ高収益企業を目指すかというと、それは自分も含めて社員個人の幸福のため。それに尽きます。SEIHAで国を動かすような仕事をしたいと思っています。思っていますが、私個人や社員が事業を通じて幸せに暮らしていなかったら、誰がそんな会社のサービスを利用しようと思うのかという話です。

今デジカルで手がけている企画やデザインそして商品開発と販売の部分については、高収益企業に転換できる種はあると信じています。信じていますが、社長の腕がまだ足らないので相乗効果を発揮して徹底的にやり抜くところまで至っていない。今超えるべきポイントはそこだと考えています。

高収益企業になるためには絶対的に顧客の満足が大前提です。満足いただかないと対価はいただけません。その点愚かにも、これまでは社内体制にあわせて顧客サービスを考えていたことに失敗の要因がありました。なぜ社内の体制にこだわっていたかというと、それが社員のためになると思っていたためです。一時期感化されて「ありがとうプロジェクト」なんてやっていました。これこそバカの極北ですね。顧客にありがとうと言われずして、社員が互いにありがとうを言って何になるのかと。必死にやっていた「つもり」でした。社員同士のコミュニケーションは顧客の要求に応えるため社内の情報共有が活性化される過程で発生するもので、仲良しクラブを作れば良い仕事ができるわけではありません。

昨日は収録を終わった後に、@takeruiくんと晩飯食べながらうちの会社どう?、それにこの社長どうよ。みたいな話をしていたのですが、彼が、皆さんすごくポテンシャル高いと思うんですけど、みんなバラバラに仕事をしているみたいです。というような話を聞いているうちに、あぁ、そうか、今って会社全体、歯車が完全に噛み合ってないってことだなと思い至りました。

デジカルの社員、いまは10名ちょっとしかいませんが、去年から強チームを作ると猛烈に意識して採用や育成に集中してきた結果、情熱ある人間が残っています。また、個々人の技術は、私が持っていないもの、企画力、営業力、デザイン力で抜きんでたものをもっています。結果的に今望むべき優秀な人材は揃っているということに今更ながらですが気づきました。そしてさらに加わりたいと仰ってくださる情熱と技術をもっている方が何人かいらっしゃいます。本当にありがたいです。

そうなってくると原理原則からいけば、いま当社に足りないのは、社長が彼らが一丸となれる、サービスと理念と経営方針を明文化して提示することということになります。

先日、国際ブックフェアに出展しないかと熱心な営業をかけられて、いろいろと当社の可能性を見出してくれたその営業の人に感謝しながらも、今ひとつ良し出るぞ!と、勢いつけて決断できていなかったのも、まさにこのサービスと理念と経営方針がハッキリと打ち出せていないことに原因があると気づきました。可能性はあるけど、今ひとつ何がなんだかわからない。それが外から見えている今のデジカルなんだろうなと。

頭の中にはあるけど、まとまったカタチでは出せていないものを作って出していきます。だいたい社長が言っていることって端から見ると朝令暮改なんです。自分では一貫していても、刻々変化する状況に対応するため変更する前提事情を説明しないので(省いてしまうので)、聞いているほうは混乱するばかりだと思います。本当にわかっちゃいるけどできていない、この一番大事なやるべきところをやります。歯車をキッチリと噛み合わせるためにも。

しかし、これ実行するとなると本当に相当な苦行になると予想しています。何が苦行かというと、現実的な売上を作りながら、新しい業態を開発していかなければならないためです。そのために猛烈な激務に身を置く未来が見えます(私が)。正直、さすがにこれ以上まだまだ働くのかぁ!という気持ちが少しばかり残っているので、覚悟を定めるためにもう何日か準備に時間をかけたいと思います。