電子出版については、昨年の電子出版元年のお祭りに乗じて32booksプロジェクトで一旦は取り組みを始めました。しかし、すぐにこれは「違う」とプロジェクトを取りやめました。

自画自賛しますが、そのときの判断は正しかったと思っています。

2010年7月23日「32booksを進めたいが、進められない理由がある。」

2011年1月10日 「電子出版の仕組みを作る仕事が面白い」

そうやって早々に撤退して、構想自体を長らく暖めていた甲斐があって、いま絶好のチャンスを頂いて32booksを体現できるプロジェクトを水面下で着々と進めています。

小さな編集プロダクションですが、それでも粘って10年近く続けていれば何かいいことはありますね。執念です。

ただ、まだ偉そうに書けることは何もないです。なので電子出版のことはブログに書くつもりはなかったのですが、すでにプロジェクトとして数十名の方に執筆を依頼して、原稿が少しずつ上がってきましたので、これから本腰入れて進めて行く決意表明としても、現時点での取り組みの感想など書き残しておきたいと思います。

プロジェクトの構想については詳細を明かしたくないのと、内容をブログで議論したところで商品が素晴らしくなるとは思えないので(それはSEIHAで学んだ)、以下、基本的に与太話です。電子出版の未来については何にも語ってないので、何かを得たいと思ってリンクをたどってこられた方はすみません。

さて、いまだに電子出版「儲かる、儲からない」という議論がありますが、なんだかみんなくだらないことを一生懸命議論してるなぁと思ってみています。

そんなの儲かるに決まっているじゃないですか。

ただし、儲かるようにするためには、儲けさせてくれるお客さんを作るために相当の努力が必要だということです。血の滲むような努力が必要です。

そもそも事業を始めれば直ぐに儲かるみたいな、そんなことを考えている人が多いんじゃないでしょうかね。それで、ちょっとやってみてダメだーって。もの凄く安直な空気を感じます。私自身は、安藤百福さんならこういう場合、どうするだろうかと考えてみています。

それから、日頃、議論している人の多くが受託体質というところも一つポイントだろうなと考えています。本来、製造販売は相当大変な仕事だと思います。電子出版といえどもその点には変わりありません。

特に、今年は開発で痛い目に遭ったので、受託体質の企業が見込開発販売体質の事業に踏み込むためには、相当の覚悟が必要だと考えて取り組んでいます。

こう書くとまた蛮勇を奮っているのかと誤解されそうですが、編集プロダクションの当社がその部分に乗りだそうと考えたのは、受託体質の会社でも、強みをさらに尖らせていけば、そこを上手く業態転換できる環境と素地が整ったと判断したためです。

先に言う、開発に失敗したからこそ分かったことが山のようにありました。まだきちんと言語化できませんが、ぼんやりと、どうすれば業態開発が上手くいくのか、ということが見えてきました。これらは事業を成功させたのちに、偉そうに書けるようになったら文章化したいと思います。

今は何よりもこの一連の取り組み、というか苦労が「面白い!」ということ。それに尽きます。

原稿や企画自体を考えることももちろん面白いですが、はっきりいってこの取り組み自体が最高に面白いです。事業のその仕組みから、それこそお客さんをゼロから作るところから関われることなんてそうそう無いことだと思います。まさにインスタントラーメン黎明期にカップヌードルを初めて作る絶好のチャンスですね。

それから今年前半の混乱を沈めていま足下を見てみると、電子出版に取り組むチャンスが転がり込んできていて、それを新しい形で体現するためのチームが揃ってるということにも気づきました。

というのも、もともと石川くんには32booksを手伝ってもらうところから個人的に仕事を手伝い初めてもらっていて、それから紆余曲折あって1年ぶりに、仕事の規模を大きくして、またスタートラインついてもらっているわけですが、彼に加えて現在は優秀なディレクターとデザイナーが両脇を固めてくれていて、まぁなんとも盤石な体制だなと。

今朝ミーティングをしていたのですが、これは頼もしいなと、さらに面白くなってきました。

最近はあまりにもやりがいがあって、燃え尽きないようにと多少慎重になっていましたが、もう少しアクセルを踏み込んでみたいと思います。

ともかく、着手するからには、今後電子出版事業がかなり儲かるように取り組みます。じゃないと、著者も関係企業も儲からないし、何より読者が面白くないと思いますので。

さらに楽しみたいと思います。