自分自身や会社を成長させようと挑戦するたびに必ず直面する壁があります。
それは「燃え尽きそうになる壁」です。
どんな壁も超えられればなんてことはないのでしょうけどね。まだこの壁、まるでX1に乗って音速の壁を越えようとチャレンジしていたチャック・イェーガーの心境です。
この壁の恐ろしさは、仕事が上手くいけばいくほど、加速すればするほどに、根が深い暗黒部分を心の中に作ってしまうということです。ダークサイドに落ちるわけですね。
今まで20代も30代も、何度かこの壁にぶち当たっては、あるときはやりきれない思いからくる怒りから周囲に当たり散らしたり、あるときは無理に超えようとさらに頑張って体調を崩し、あるときは緊張の切れて職場を放棄して一人逃亡し(引きこもりですね)。ちょっと思い返してみてもいろんなパターンを体験してきました。
これは多少、身体や精神に無理が利くほど症状が悪化するように思いますが、要するに事態が好転しているにも関わらず、能力不足で物事を潤滑に動かすことができないことから生じる歯がゆい思いが、上手く消化されず心の奥底に澱のように蓄積されていく疲労のことのようです。
そして、今またその新たな壁に直面しつつあるようです。
春先からずっと、自分史上最大のプロジェクト数。会って話をしている人の数も最大であれば、新しい種類の仕事も最大の数。特に、受託制作の仕事を超え、商品開発販売や新境地の企画事案にも足を踏み出しているので、またまた未踏の領域に入りつつあります。
加えて40を境にして、自分の体力気力の低下もそうですが、それに反比例するかのように周囲で関係する人の数の増加や、仕事のことは何もわからない家族の期待(安心)の増加も含めて、いよいよ真正面からこの問題に取り組んで解消しなければ、この先に進めないという限界点がやってきたように感じます。
最初、これは自分の器が小さいためだと思っていました。しかし冷静に考えてみれば当然のことですが、蓄積される疲労は解消しなければいつかはあふれ出すわけで、大きくしようと努力すればするほどにさらに強固な壁が立ちはだかってきます。
では最初から疲れないように、様々な関係性を断ち切ってしまえばいいのかといえば、そうであるならばなぜ家族や社員と一緒にいるのか根本的な説明ができません。特に子供との関係性はまったく説明がつかなくなりますね。
ということで、様々な文献などを読んで得られてた答えは「疲れる前に休むこと」です。つまり燃え尽きないように自己調整をする術を持ちなさいということのようです。
これは言うは易く行うは難し。周囲の期待値が最大限高まっているときに、期待を削ぐような行動をとれる人はなかなかいないと思います。
特に自分の場合は、断ることが非常に苦手なので、一時は、断舎離とばかりにすぱっと断ち切ってしまう人をすごいなぁ、真似してみようと思ったこともあったのですが、よくよく観察していると、そういう行動をとると、その後はだんだんと粒が小さくなっていくようなので、私が求めているものとは違うようです。
人間力養成講座の林先生から、人間とんがりを削るように丸くなるのでなく、とんがりの間を埋めるように大きな丸になることが肝要だと仰っていたことに解決のヒントがあるように感じています。
よって、燃え尽きないためには「疲れないようにする」のではなく、「疲れる前に休む」が正しいように思います。
今得られている自己解決策は次の通りです。
1.意識的に体の緊張感をゆるめる術を持つ(調身調息調心の禅ですね)
2.任せる仕組みを作る(仕事を真に任せられる人を育てるということですね)
3.スクリーンから遠ざかる(スマホやクラウドツールから距離を置く)
4.一人になる時間を作る(充電の時間を増やす)
1.については、禅寺にいってお茶の稽古も続けてきて、我ながらかなり上達してきているように思います。夜もぐっすり寝られるのでここは大丈夫そうです。
2.については、仕事をきちんとやる社員ばかりなので、徐々にですが任せられつつあると思います。残り1年を目標に組織化していきます。多少疲れるところですがまだ希望があります。
3.は、ITテクノロジーを上手く使いすぎることで思考が加速することの弊害(深く物事を考えられなくなる危険性)について警鐘を鳴らす本を最近読んで、なるほどと思っています。自分の場合は、ツールを上手く活用すればするほどに、この隘路に陥っている気がしてきています。
4.については、自分で運転しない長距離高速移動の乗り物(新幹線や飛行機)で遠くに旅行に行くことが効果的です。自分の場合は定期的に出張を組み込んでいますが、あれは貴重な充電期間なんですね。
質の高い仕事を追求しています。
また自分にとっての会社経営は長期戦なので、この壁を超えるために、この際「疲れる前に休む」方法をしっかりと身につけたいと考えています。
登山が休み休みなように。
現在、そういうイメージで取り組んでます。
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