親父殿よりブログの表示が遅いから改善せよとのことで、全文表示をやめてトップの表示文字数を減らしてみました。どうでしょう。

さて、本日は経営会議です。第一四半期の振り返りと第二四半期以降の展開についてが議題です。何度も書いていますが、お陰様でなんとか回復基調に取り付けました。春先より会社が混乱する中、ご声援いただいた取引先および協力者の皆様、本当にありがとうございました。

しかし、勝って兜の緒を締めよ。

11月はお茶の世界では炉開きで、正月のようなものです。おめでとうございますとご挨拶して、ぜんざいをいただき先生が濃茶を点ててくださいます。このお茶のお稽古もはや五年目に突入ですが、今年は風炉の稽古が殆どできませんでした。そこで開炉に合わせてお稽古の復帰と、9期第二四半期のスタートを契機とした、地に足のついた営業活動をと考えています。

そもそも前期までの成績があまりにも悪すぎました。編プロ部門の成績が悪い上に、さらにサービスサイトの開発頓挫に、震災の混乱とトリプルパンチ。ただし、この先、進めている仕事を着実に仕上げていく作業はまだまだこれから、なにより出版業界は変革を求められていますし、日々のニュースや体感する経済状況からもまったく余談は許しません。

そういった様々な懸念が頭をよぎる中、今後の対応課題は1点のみ、「人」の問題に尽きると考えて対応しています。

ただし、今までの2年ぐらいで大失敗だったのは社員の姿勢を問うたことです。これが大間違いの大失敗。真に問われているのは社長の姿勢であって、社員に問うべき姿勢などはありはしません。そういうわけで日々、リーダーシップとはなんぞや、それはどうあるべきかということを考え行動しています。

いますが、このところ過ぎたるは及ばざるがごとしの感もあって、先週の出張ではさすがに思いが先行しすぎて少し息切れの様相で、週末から少しペース調整をしています。先々週から出社時間も遅くなってきているので、今週から早朝出社に戻したいと思います。

さて、来年以降の展望を見据えてこの先の取り組みを考えていますが、今年以上の混乱が待ち受けていると予想しています。もはやギリシアの混乱は対岸の火事じゃないだろう、そのように考えて。

もう7、8年前になりますが名古屋から大阪、四国にかけて旅行しときに、ピカピカに輝いている名古屋駅を経由して入った大阪の「汚い!」印象が強烈でした。その時は数年ぶりに大阪に行ったのですが、あまりの汚さに、どうしたの?という感想を抱いたことを鮮明に覚えています。それから自治体として破綻しているという報道を経て、橋本府知事の登場から、今の大阪市長選に至るまで、大阪には縁は殆どありませんが、その行方を凄く興味を持ってみています。

週末にその橋本前府知事と堺屋太一氏の対談本を読みました。40年前、大阪万博を企画した堺屋太一氏が、大阪は日本の未来図と評していて、なるほど著名人が去り、企業が去り。一方で既得権益の保持に懸命な人々。かつて商都として隆盛を誇っていた姿はどこにもなく、以前訪れたときに感じた違和感はそういうことだったのかと合点がいきました。それを世界における日本の未来図として考えてみると、確かに背筋は寒くなりますね。

一方、本の中で、日本の復興の前に、世界的な都市間競争の時代への対応が先という問題のとらえ方に、今後の改革の光明があるように感じましたし(もちろん当選されて実行できればですが)、個人的にはそこに小規模企業としての経営ヒントを得た気がしました。皆さんにも一読をお薦めします。

姿勢の問題に話を戻しますが、この半年、小さいながらも現に経営が行き詰まって、お金が行き詰まってくると人間はどうなるのか、自分の弱さ小ささというものを嫌というほど見ました。経営者としては数字が悪くなる(損失拡大が目に見える)ほどに現実を直視したくなくなってきます。と、経営本に書いてありますがそのとおりです。

そういったときにどれだけ冷静に物事を判断することができるのか。例えが悪いかもしれませんが、墜落するかのように急降下している飛行機を、計器飛行しながら原因追及していくパイロットの気分です。そこで諦めるのかそうじゃないのか。だったら今どうするのか。

決断に至までの逡巡も含めて人(自分自身)の弱さをまざまざと痛感してきた今日、この先予想される社会混乱への対処も割と冷静に対応できるだろうと多少の自信がついたように思います。

といってもわかったことは、まずは”なんとかなる”と、開き直るってことぐらいですが(笑)

来年も恐らく先行き不透明で、悲観的な見通しが先立つ社会状況だと思いますが、落ち着いて視点を変えて考えてみると、デジカルのような新興の小規模企業にとっては業界のくびきに囚われず自由な発想で商売できる千載一遇の好機(と、そのようにトップが考えるかどうかが肝心という意味でも)。

もう考えは殆どまとまっていますが、それを社員に伝える手法と時間が次の課題となっています。姿勢の問題としても。そこで今週から時間を割いて、社内の事業ミーティングを開始(再開かな)することにしました。

ただ以前とは違って、「みんなでやって」でも「みんなでやろう」でもなく”一緒にやろう”という考えです。「みんなで」と「一緒に」は同じようで微妙に違いますが、それは責任の主体があるかないかだと考えています。会社で責任をとれるのは社長しかいないためで、あくまでもトップと一緒にやるというのが大事と考えています(ちなみに責任を取るとは失敗したときに経済的な危険、則ち損失を被るということです)。

そうやって新しい仕事に取り組んで、少しずつ新しい役割を任せていく方針にしています。現時点では割と上手くいきそうな感触を得ていますが、これをしっかりと軌道に乗せ、最終的に自分の考えとみんなの考えを合わせていく考えです。

最初に編プロ部門の成績が悪かったと最初に書きましたが、まずはそこからテコ入れしていきます。といっても版元の下請け仕事をさらに頑張るだけでなく(もちろん手を抜かず頑張りますよ)、本来のあるべき編集プロダクションのサービスを、これからの時代に合わせて調整して提供していこうと考えています(その点で、今看板にしているソーシャルメディア時代の編集プロダクションってのは違ってるから直そうと思う)。

ちなみに、これからの編集プロダクションは、電子出版もやるし、書籍アプリも開発するし、ウェブメディアも企画運営します。そして、その時に必要な技術はディレクション力とチーム力。とくにチーム力は、誰をチームメンバーにするのかという点から考えても一朝一夕には作れません。

しかるべき時間はかけますが、かといって好機は逃さず。しかし、おいしそうな仕事と飛びつかず。丁寧に育てていきます。