経営者として成功・活躍されている方を紹介する事例では、創業経営者が多いために「創業者」と「経営者」を同じような仕事と考えている人が多いのではないかと思います。

しかし、創業者として成功し、経営者として失敗する。もしくは成功以前に経営者への転換に行き詰まる。そういったことはたくさんあります。名プレーヤー必ずしも名監督ならずといったこととも似ているかもしれません。

では「創業者」と「経営者」、その違いは何か?それは物事の見方、捉え方であろうと思います。

「創業者」は、今を起点とする延長線上に将来を見据える。
「経営者」は、将来のある時点から俯瞰して今を観る。

ベクトルが真逆だといってよいと思います。

現在の延長線上に未来があるという考え方自体は、学校や親でも教えられていることです。実際に特別な資格が不要ですから、事業を始めましたと宣言すればその瞬間から創業者になれるので、創業者になることは難しいことではないと思います。

一方の経営者は、将来のある時点から今を振り返って、目指すべき将来に向かって緻密な設計図を描き実行するのが仕事です。こちらは必ず結果を出さなければなりません。特に他人の資本で経営をする経営者は大変で、赤字を出し続け資産を減らせば不合格で即刻解任です。

大変高度な仕事だとは思います。しかし、この経営者の考え方も創業者と同様に学校である程度学ぶことができます。一番分かりやすい例は受験勉強で、合格という将来の時点から遡って今から何をどう勉強するかということは、経営者の考え方や行動に非常に近いと思います。

ただ、そこに一点足りないこと、それは「自分のため」で、「仲間のため」ではないということです。そう考えると、なぜ経営者に転換できない創業者が多いのかもわかります。自分のことしか考えていないためです。

では、創業者はどうすれば経営者になれるのでしょうか。

恐らくそのためには創業者としての過去やエゴを一切捨てることが、その契機になると思います。そして思考のベクトルを自分に向けてから、他人に向けてへ切り替えること。

今週末は、偉大な経営者の側で、その経営哲学の息吹を肌で感じることができ、この断層に気付かせてもらいました。そして、これからどうすればいいのか、具体的な手法が事細かくこの本には書いてあることを今更ながら気付きました。とんでもない本を編集担当させてもらったのかもしれません。

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