「売れる本作りをトータルにサポートする」を標榜してやってきました。何度も書いています。しかし、一昨年あたりから「読まれる本作り」という範囲でも仕事を考えるようになってきました。

ここ最近実績掲載をしていますが、「売れる本作り」の部分は、萩原さんの装丁にまかせていて、私自身は「読まれる本作り」について考えて仕事をしています。すごく売れる本については、世のスゴ編の方々にやってもらったほうが、自分がやるよりもずっとよいとも思うためです。

先日、書店流通の超ベテランの方とお話をする機会がありました。やはり「良い本とは売れる本」と断言されていました。私も異論はありません。編集者として、もっときちんと売れる本を作らなければと思います。

そして今、私の中でそのきちんと売れるとは、いつまでも売れ続ける本といったイメージです。ベストセラーよりもロングセラーとでもいったことでしょうか。少なくとも昨年から手がけている本については、その部分を常に意識して、たとえ先端技術の実用書であっても3年以上は読める内容をと考えています。

一方で、現在の書店流通を前提とした本作りでは、当社のような弱小編プロに「読まれる本」を作って結果を出し続けることが大変に難しいのも事実です。

だからどうするか。

書店で売る本以外にも、読まれる「本」はいくらでも作れるはずだと考えています。それは四六判型で200ページの紙の束でなくとも、ブログでもFacebookの書き込みでも構わないし、あるいは流通をしない本を作ってもよいし、電子書籍などにせずとも新しい取り組みはいくらでもできると思っています。

いずれのパターンにしても書いた文章を読む読者の顔が見える、直接繋がることができる、「読んでいる人が手に取るようにわかる」本作りをサービスしていこうと考えています。

このときに絶対的に必須なことは、儲けを出すということです。本作りに限りませんが、いわゆるクリエイティブな仕事というのは、作業をしていると仕事をしているような錯覚に陥りがちです。しかし、儲けがでない仕事は高校生の文化祭と同じ。時間とお金の無駄だし、なによりも「価値提供」ができていない証左です。

今のそのサービスで1万円でも人様から頂戴できるのか?

先日、徳永くんが書店さん向けのサービスを企画しましたが、本関係でも「読まれる本」のためのウェブメディアの構築も進めています。そして、平行して玉造くんとは、ほんとうに「読まれる本」作りのサービス企画も用意しています。

今日の経営会議で、どこにお客さまがいて、どういった価値提供ができるのかしっかりと見えました。すでに編プロとして10年近く積み上げてきています。この分野については大きな儲けを出すことにさらに集中したいと思います。

価値提供を強く意識したサービスデザイニングまもなく完成です。