書店には、社長のための本がたくさんあります。最近でこそ「社長!知ってますか!」みたいな大声な本は、一時期より減っている気がしますが、本当に多いですね。それだけ悩みが多いためだと思います。

また、気持ちが痛いほどわかるので、自分もたくさん読みましたし、そういった本を手がけられたらなとも考えていました。しかし、昨年、園山さんにお会いして、その経営哲学を間近で聞き、体感する機会を頂き、さらには書籍を担当させていただいて、その考え方は一変しました。

随分前から着目している出版社があります。経営合理化協会といって、社長のためだけに書かれた手作りの実務書、といった理念のもと、1万円する本を直販している会社です。皆さん1万円の本って買ったことほとんどないでしょう? 手作りとは書いてありますが、信じられないことに造本こそ多少は豪華ですが、本屋で売っている1500円の本と同じく、紙に文字が載っているだけです。実際に何冊か購読していますが本当に役立つ本が多いです。そして、なぜ1万円で売れるのか、そういったことをずっと考えていました。

少し前に書店流通に興味を持ち続ける自信がないと書きましたが、その背景には電子書籍やアプリの企画が楽しいこともありますが、今までとは違う本作りについて考えて実現したい、商売にしたいという思いが勝っているためです。

そしてあれこれ悩みつつ、最近は玉造くんに企画を考えさせつつやってきた末、昨日の経営会議で前沢先生から思ってもみなかった情報を得て一挙に目の前のモヤモヤが晴れました。

いままでの本が、社長が「読む」ためのものとするならば、いま考えているのは社長が「使う」本です。これは「使える」社長と「使えない」もしくは「使う資格がない」社長がいます。

ここしばらく新しい事業が軌道に乗るまでは、頭が千切れるほど考え抜くことを課していますが、考え抜いた末にいくつかのパーツがパパパッと繋がった感覚です。

夜遅くに残っていた玉造くんを捕まえてその話をしたら、さすがデザイナーらしい発案もあり、すぐやろうと決めました。商売の話です。