仕事関係を含めると毎日1冊は何か読んでいるように思います。本当はお薦めしたい本もありますが、その暇があったら今は自社の本の紹介をするべきなので、ブログに書くのは止めようと思いました。この【読んだ】エントリーも、自分にとってとても役に立った本で、誰かにお勧めする本のことではありません。ただの備忘録。

企業の存在価値とはずばり「納税」することだ。事業活動を行って利益を計上し、法人税を納める。これが企業が存続する意義なのである。厳しい言い方をすると、利益を出せない企業、法人税を納められないような企業は存続する意味すらないと思っている。
そうした企業の「納税」には、法人税という形で直接納税する以外に、もうひとつの形がある。それが「雇用」だ。企業が雇用を生むことによって雇用された従業員は、得た収入から所得税と純民税を納めることになる。これも企業にとっては立派な納税であるとボクは考えている。

同じようなことをテレビでも言っていたように思いますが一言一句同意します。私自身は「納税」しないと会社は成長しないと教えられて初めて気付きましたが。そして、それを実現できていなかった前期、前々期の自分の失策を恥じ入るばかりです。

利益を出すためにはお客様に価値提供をして対価を頂くほかありません。その努力を怠っていたということです。ただそれだけ。

そして、立派な理念やライフスタイル、そして企画、事業の提案をしようとも、この本質的なことを押さえていないと、それらが上手くいかなかったときに、結果的に嘘をつくことになったり、逃げる人がいることを知りました。

そういう人を責めたり、自分が逃げたくないと言いたいわけではなく、何のために事業をするのかということを意識しておけば、必然的に事業は進み、人が集まるということを知りました。このことはまだ言語に置き換えにくく、血肉になっているとしかいえませんが、人間、危機に直面して初めて入るスイッチがあるのは確かです。

危機意識という点では、井戸さんも書いていますが、貯金して開店開業するのは私も×だと思います。もしくはホドホドでいいと思うことも×だと思います。常日頃、先生にも落ち着いてきたら次にまた大きなものを背負わないとダメだと言われていますが、やっぱりこの程度でいいやと考えることは、やっぱり全部経営者のエゴでしかない。

子供は勝手に成長しますが、同じように社員も成長したいと思っていますし、会社そのものも成長したいと思っています。それが正しく伸びやかに成長していくようにするためには、経営者自身が伸び白をどんどん作って行かなければ、その「場」いる人たちはいずれ窮屈になっていくはずです。

そういう点で、何十年も経営者をやっている人はやっぱりある意味異常、常人ではないということを実感しています。何年かけて積み上げても崩れるのはほんとうに一瞬です。

もちろん単年度の赤字を出すこと自体は悪ではないですし、資金繰りが都合ついているのであれば企業はつぶれませんが、赤字を出している原因を追究せず、つまりお客様に価値提供する努力をせず、自分の考え都合を優先するような姿勢を正さなければ、絶対に「納税」はできません。維持し続けることの厳しさを痛感します。

あと余談ですが、社会起業家という言葉が私も嫌いです。胡散臭いと思っています。なぜなら納税と雇用をしっかりしている経営者はみんなそれだけで社会起業家で企業家だと思うので。最近も一段と時間が足りなくなってきましたが、それでも、この2つをきちんと意識してやっている経営者の方々とはこれからもさらに繋がっていこうと思っています。

これまでは売れすぎただけのことなのだ。(中略)ということは「そこまでは売れない」を前提としたビジネスモデルを作っていけば良いだけのことなのだ

どういうビジネスでも当てはまることですね。特に自分の場合は、斜陽の出版業界でも割と売れている分野で仕事を続けさせてもらっていたので、この思考転換が難しかった。「売れる」ということの再定義を、仕組みや形を全部ゼロから考え直して、新しい商材で取り組んでいるところです。

また、売れすぎたころの仕事の象徴は、自分がまだ学生だったころに流行っていた「24時間戦えますか♪」のストレスフルな仕事環境と働き方。その反動で現代はノンストレスなものを求める風潮だと思うのですが、これもやっぱりバランスの問題で、これからは新しいビジネスモデルを維持するために、ほどよい緊張感を保てる仕事環境を新たに構築しなければと考えています。

「それでビジネスが成り立つの?」と思われるかも知れない。それはまだ現時点では結論が出ていないのだが、ひとつだけ言えることは「こんなお店ならお客様に支持して頂ける」ということだ。

私もお客様の支持されるサービス、商品を作っていきたいと思います。もちろん現時点ではまだ「成功」していませんが、その成功を求めるまえに「成立」させなければならないと考えています。実は、種蒔きは終わっていると書きましたが、そこからチラホラと芽吹いてきています。

そして、ここから暫くは、なかなか成長を実感できないかもしれませんが、そのことに焦ったり飽くことなくしっかりと世話を続けることが課題だと考えています。

 

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