新しい事ばかり手がけていることもありますが、獣道を分け入って迷いながらも部下とともに進むうちにいろいろなことがわかってきます。掲題の件、正確にいえば、セオリー通りにしか仕事ができないと失敗もしないが成功もできないということでしょうか。
これまで1つの仕事を成し遂げるのに10の段階があったとしたら、それを1から10までしっかりなぞって仕事をしていると時間切れになります。また1から10まで決められた段取りを全部きっちりやるとコスト高になります。しかし、難しいのは1から10までのことで何かを省くとすぐにバレて手抜きと言われたり、人に満足していただくことができません。
1から10までのことをしっかり全部やり遂げて、かつ短時間、低コストで仕事を成し遂げる必要があると感じています。今の時代は。
そのためには、1から10までのことのうち、どこを手厚くして、どこを薄くするのか、その濃淡がつけられたり、1から10までの段取りのうち、2と8を入れ替えたりなどの組み替えができるような、そういう柔軟な発想を持っているかどうかが重要になってくると考えています。
GTDも次第に一般に浸透してきていて、仕事における個別の作業の時短については極限まで絞り込めているように思います。これ以上の成果を得るためには、上記の仕事の段取りについて濃淡の付け方や組み替えができるかどうか、その思考能力と実践するための小さな勇気が求められているのではないかと思います。
そして、そういった組み替えや濃淡付けを自信を持ってやり遂げるためには、仕事の全部を見通し目標設定をするための考え抜く力、目標到達まで頑張る意志、そして未踏の道に一歩を踏み出す勇気が必要だと考えています。
いま若い社員と仕事を進めていて感じるのは、作業ベースではとても優秀な人が多いということ、それこそ就職氷河期をくぐり抜け、いろんな職場で揉まれに揉まれてきているので、できる若手の仕事力は新人類・バブル上司世代に比べても圧倒に優秀なものがあると思います。
一方で、そのために何事にも慎重で、慎重のあまり仕事の粒を小さくしているようにも感じます。もちろん古くなった枠組みにしがみついていて新しく何もしない世代よりも、小さくともしっかりと新しい仕事を成し遂げるほうがずっと立派だと思いますが、やはり一旦ことを成し遂げようと取り組みはじめた以上は、その仕事の枠組みを大きくとること、そのために絶えず枠組みの組み替えに挑戦し続けること、そういった方向に向かうべきだろうと思います。
そこで上司としてやれることは何かといえば、従来の枠組や自らの体験に囚われず大胆に目標到達を目指す思考過程の枠組みを伝えるよう、その思考過程を示したブレストあるのみと考えています。
なかなか先行きが見えない時代ですが、未踏の道、それは未踏の山に例えてもいいと思いますが、確かに標高は分からないけれども、準備万端、チーム編成も万全。歩いて行けば必ず越えられるのでどんどん前に進みましょう。
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