昨年から社員旅行に出かけてます。
足下の利益にならないことでお金を使うことを逡巡して、これまで先送りにしていましたが短絡的な考えでした。
社員旅行が古くさいものと思っていました。最初に就職した会社では、温泉地のホテルの大広間で、上座に社長が陣取り社員が舞台で演芸大会というような、まるで絵に描いたような昭和の社員研修旅行。平成の世に、大学院を辞めてパソコンをテーマとするスマートな出版社に入ったんだという、今思えば本当にしょうもない頭でっかちでしょぼいプライドの固まりだった若造には、ことの本質が何にもわかっちゃいませんでした。
演芸大会が今の時代に合うかどうかはともかく、実際その昔話で今も萩原さんとも楽しく話ができるわけです。そして、その後に入った会社は、その前の会社と打って変わって大変ゴージャスな社員旅行だったのですが、その時の話でこれまた古屋さんとも盛り上がることができるわけです。
とにかく一緒に出かけて寝食を共にするという意味をもっと見直すべきだと今は思っています。そして実際に社員旅行を実行して、小さいながらも会社を作って良かったなぁと思ってます。無駄だと思っていたものが実は会社を成長させるために必要なのりしろだったのだと思います。
前回からの反省で、手配と実行は社長が全部やるべきだ(やってみせるべきだ)と思い、今年は計画から準備、そして実行まで全部一人でやることにしました。社員「接待」旅行というわけです。入院騒ぎなどもあって、物理的な準備時間がほとんどない状態でしたが、何事も目的意識と覚悟を持って望めば打開できるということを、今更ながら実感させてもらって、期せずして私自身が初心に戻ることができました。
そして無事に帰ってきて、つくづく今の時代、経営者はみんな嘘つきだなと感じます。先行き不透明な状況ですから、将来を確約しないことがあたかも正直なこととでもいいそうな空気です。そうではなくて、こういう状況だからこそ「みんなの生活や人生を充足したものに変えていく。しかしながら現状は予断を許さない状況だ。だからこの厳しい仕事をしっかりとやってくれ。」といわなければならないんですね。これまでずっと、暗い顔をして大変だとしかつぶやいていなかった自分を振り返ってみて、何にもわかってなかったなと思います。
美味しいものを一緒に食べ、美しい景色を一緒に眺め、ともに温泉につかってみて、そこで感じること、わかることいろいろとあると思いました。みんなが本当に楽しかったどうかはわかりませんが、今日も朝から全社員が集中して仕事に取り組んでいたので、何かしら社内の結束に前進があったんじゃないかなぁと思いたいです。
来年も行きます。可能な限り予算を拡大させて海外に行こうと思っています。
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