帯コピーに「安易な「拡大戦略」では、会社は10年続かない!」とありましたが、その通りです。「小さくても、しっかり儲かる会社を作る」もその通りだと思います。
たいてい税理士さんが書く経営書は役に立たないのですが、ご自身で事務所を経営した経験があるということで、しっかりした内容ではあると思います。
税理士さんに限らずですが、会計やマーケティング担当者などでも、多くの経営者と身近に接してきたからと経営がわかったかのように語る方が多いんですよね。嘘ですよ。困ったものです。
もっとも税理士だからダメなのではなく、この税理士さんは小規模な事務所を経営していたようですが、私が師事している先生は、大規模の事務所を40年も経営しています。先生が日頃仰っていることは、この本に書いてあることとは全く違います。要するに経営は実践した規模、範囲、経験年数でしか語れないんですね。
社長は会社を「大きく」するな! | |
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著者の先生も、社員が6名ぐらいになったときに資金繰りで大変になった経験から縮小を考えたと書いてありました。その経験が本書の執筆のきっかけになっているようですが、経緯を読みながら私自身も一昨年の状況を振り返って身につまされるところがありました。
しかし会社を大きくすると資金繰りに悩まされ続けるというのは違和感がありました。確かに回す歯車が大きくなると危険が増えるのはそうだとしても、拡大したから問題が発生するのではなく、膨張、要するに水ぶくれのときに問題が発生するから失敗するのだと思います。
私自身は真の資金繰りのためには「資金繰りを考えてはならない」と考えています。どういう意味かというと、要するにちゃんと儲けを出す努力をしなさいということです。人のために仕事をしっかりとしなさいということです。そうやって頂いた対価で賄いなさいということです。当たり前のことですよね。そんな簡単なことを理解するのに愚かにも10年かかりましたが。
しかし、そうやって人のための仕事に没頭できるのも、1円の狂いもなく月次決算している優秀な経理がいるからこそで、そう考えると会社はやっぱりある程度の規模を目指すべきだと考えます。経理社員の将来を考えたら会社の規模を拡大しないとその努力に報いることはできないのですから。
それと会社を成長させなければならないと考えるもう1つの理由は、この手の経営書は結局のところ社長が生き延びるには?ということしか書いてないからなんですよね。確かに小さい規模であれば社長は資金繰りにも悩まないでしょうし、日々苦労も少ないことでしょう。しかし、そういう会社に勤める社員のことを考えてみたことがあるのかと私は疑問なんですよね。それこそブラック企業なんじゃないかなと。
社長が前面に立って正しく会社を成長させ、自分だけでなく社員の生活も潤いある余裕あるものにすると宣言することがまず第一だと思います。それから社員が気持ちよく働く環境を作るこれが2番目ですね。まずはこのあたりをちゃんとやっていれば、自然と会社は大きくなるんじゃないでしょうか。
社長は会社を大きなるようにすべきだと思いますね。
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