税理士先生が書いている小さな会社の社長向けの本です。カバー袖コピーに「成功している中小企業の社長は、損益計算書も貸借対照表も見ない!」とありました。これは確かにそうだと思います。要するに過去の数字をいくら見ても何の意味もないということです。
店頭には決算書の読み方などの本がありますが、あれほど無駄な本はないと思います。そういえば先日、ヴィレッジヴァンガードの決算書からわかる「ニューメディア」の現実というブログ記事を読みましたが、まさにこういう間抜けな分析をしてしまうわけですよ。これは数字の分析が間違っているのではなく、分析すべき会社を間違っているというもっと根本的な残念さがありますが、ともかくそれほどに決算書というのは多くの人を惑わすものです。
閑話休題。実はこの手の社長に発破をかける経営書には元ネタがあって全部それの焼き直しです。だいたい一度は読んだことのある「当たり前」のことが著者の見聞きした最新のエピソードを織り交ぜて書かれています。では、なぜ何冊もそんな本を読んでいるのか。それは、その当たり前を全部実行するのが難しいためです。何度も何冊も読んで、そうだそうだったと思い返しているのでした。
それにしてもです。
99%の社長がカン違いしているとタイトルにありますが、だいたいの社長さんはカン違いしてないと思います。何年かやればどんな鈍い人でも何が問題なのかは自分でもわかっていると思います。著者先生はやさしくて「あとがき」でも、多くの社長さんは力を発揮していないだけと書いておられますが、そんなことはないと思います。力を発揮していないのではなく、力を発揮するのが、本当の問題を解決するのが、とてもシンドイのです。
日本の企業の8割近くが赤字ですが、不況だからでも、グローバル化しているからでも、民主党政権だったからでもないです。社長が社長の仕事をしていないからです。
99%の社長がカン違いしていること | |
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