読みにくい! よくわからない! でも気になる。。。ということで、去年からずっと鞄の中にいれてジリジリと読み進めて、ようやく自分にとって「今こそ読むべき!」本と確信しました。

リーンスタートアップのリーンとは無駄がないという意味で、トヨタのジャストインタイム生産方式の概念を、起業の経営方式に取り入れ、検証方法を最適化し、いかにして失敗を短時間で活かすのか、その方法を具体的に解説しています。

Amazonのレビューを読みましたが、みんな本質を理解できていないようですね。実際、スタートアップに直面していないと無理だと思います。私も関係なかったら、なんなんだこの読みにくい本は!と思ってとっくに捨てていたと思います。

リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
リーン・スタートアップ  ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす エリック・リース 伊藤 穣一(MITメディアラボ所長)日経BP社 2012-04-12
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そのスタートアップですが、本書では「とてつもなく不確実な状態で新しい製品やサービスを作り出さなければならない人的組織」と定義されています。

私も読み進めるまでは、スタートアップとは画期的なサービスの開発と理解していましたが(それは必要ですが)、本質はそれらの製品、サービスを生み出す組織を作り経営することです。

これまでスタートアップと聞くとクールなウェブサービス開発のイメージが先行していて、ウェブメディアの開発失敗で痛い思いをしたので、なんだか胡散臭いなぁと思っていましたが、なんのことはないこのアメリカ人もそんなことではなくもっと「人間臭いものだ」と喝破していました。やっぱりね。

スタートアップとは製品ではなく組織である。

スタートアップとは、モノを作る、お金を儲ける、顧客にサービスするだけなどではない、どうすれば持続可能な事業を構築できるのか、それを学ぶことも意義である。

アイデアを製品にする、顧客の反応を計画する、そして、方向転換するか辛抱するかを判断する。

進捗状況の計測方法やチェックポイントの設定方法、優先順位の策定方法などの部分など面白くない部分に注力する必要がある。

大前提として、本書にも書いてありますが、独立起業だけがスタートアップではないということです。私自身、現時点では積極的に企業内アントレプレナーとの協業を優先させていますが、社内政治もこなした上でイノベーションを追求している会社組織やサラリーマンの方々の方が、自分のスタイルがウンタラかんたら言ってる生ぬるいフリーランスよりも何百倍もスタートアップ力が高いと感じています。

検討より検証。これはずっと意識してやってきましたが、具体的な手法を解説している本はありませんでした。本書では、実用最小限の商品サービスを短時間で開発して検証する方法を評価基準の設定や分析方法まで丁寧に解説してあるようです。あるようです、というのは、もともとが冗長な文章な上に翻訳ということもあって、とても読み進めるのが難しい本なので、まだ最後まで読み通せていないためです。

ここ数ヶ月、一人で仕事をしてきましたが、本書で確信を得たため再度組織化スタートさせました。