答えは簡単です。

上司である貴方が、見本を示し、その上で丁寧かつ精密に仕事の段取りを説明し、失敗すればどこがポイントなのかをやさしく説明し続ける。そしてそれが上手くいくまでトコトン付き合い、万事上手くいったらともに大いに喜ぶこと。

そしてそれは、言うは易く行うは難し。

なぜか。それは貴方には貴方の仕事があって、普通にすごしているとトコトンつきあう時間が足りないため(自分の生活と仕事を変える)、そもそも人に説明する能力について学校では一切教えてくれないため(勉強と経験が必要)です。

数年前に読んだ、ソフトブレーン創業者である宋文州さんの「社員のモチベーションは上げるな」の意味が、ようやくわかってきました。やる気がなくても成果があがるんです。やる気と効率は全く関係がない。そして成果があがれば自然にやる気は出てくるのです。

必要なのは仕事の設計と説明。そして覚悟と根気。

あなたがやる気を引き出せないのは、1.仕事の設計組立ができていない、2.その仕事の説明が精密丁寧でない、の2つが大きな原因ですが、これらを3.キチンと解決しようと決意し、4.やり遂げるまで諦めずに続ける実行が一番難しい。

というのも、人は十人十色ではなく十人一万色であるためです。

ある人の朝と、その人の昼のその人は別人。人はちょっとしたきっかけで瞬間的に別人格に変わります。そういう別人に平常心を保って何度も何度も同じことをいえるのか。

クールヘッドとウォームハートといいますが、冷徹な頭脳と温情溢れる対応という二律背反した、ある種ねじれた状態を自分の中で維持し続けることができる異常な人じゃないと、絶対にこなせない仕事です。

ちなみに、これを理解するのために、最近覚えた五段階の何故を実行してみました。

1.なぜ、不満が続出するのか
→思い通りに仕事が進まずストレスがたまるため

2.なぜ思い通りに進まずストレスがたまるのか
→自分が考えていたことと違うことをさせられていると感じるため

3.なぜ自分が考えていたことと違うことをさせられていると感じるのか
→最初に説明されていたことと違うことをしていると感じるため

4.なぜ最初に説明されていたことと違うと感じるのか
→最初の説明が正しく伝わっていないため

5.なぜ最初の説明が正しく伝わっていないのか
→説明が雑で本当にやって欲しいことを丁寧かつ緻密に説明していないため

裏返すと

1.丁寧かつ精密な説明をする
2.最初から自分が何をやればいいのか明確に理解できる
3.明確に理解できることは正しくできる
4.正しくできると達成感ととも自他共に評価も高まる
5.評価と達成感でやる気がさらにでる

実は、自分を上司と部下の2つの人格に置き換えて実行すれば、「やる気」のセルフコントロールもできると思います。

いずれにしても2,3回丁寧に話をしたぐらいで、だからなんだ?という世界だと思います。