本日、デジカルの新刊書籍がAmazonに並びました。新しい取り組みとなる、書籍+電子書籍ハイブリッド出版の第一号案件になります。今、この本の電子版を手配しています。

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BUY SIDE ADVISOR 井上 正明デジカル 2012-01-25
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明確に意識し始めたのは昨年ですが、こういうことができそう、やれそう、おもしろそう、「よし、やりましょう!」の声があちこちで上がるようになりました。しかし、それをキッチリと最後まで成し遂げることが本当に難しい。

いま進めている仕事のすべてが、フリーランス、上場企業の垣根を越えて個人が縦横無尽に組み合わさったプロジェクトベースです。もともと書籍の企画出版が毎回新商品の開発プロジェクトですから、それほど今のワークスタイルに違和感は持っていなかったのですが、深まる出版構造不況にソーシャルメディアの浸透、さらに先行き不透明な電子出版の登場で、組み立てがさらに複雑になっています。

荒波の大海に乗り出して難破しないように必死で操船していますが、今のところ航海のポイントは、以下の3つだと思います。

・対話方法のカイゼン
・開発サイクルの短縮
・覚悟

対話方法のカイゼンは、メールをプロジェクトの情報共有ツールとして使わないということが大前提です。サービスは何でもよいのですが(最適なものはサイボウズLiveですが)、ウェブを使った情報共有の仕組みを最初に作るところがミソです。

組織横断的なプロジェクトの場合、従来のように上司部下、顧客担当者といった単純な垂直水平コミュニケーションのつもりでメールのやりとりしていると、漏れや二度手間はもちろん、情報整理をしているだけで時間切れです。その点ウェブ情報共有ツールは、あらかじめ対話の流れを整理整頓できるメリットがあります。

次に開発サイクルの短縮についてです。短縮しないと資金が続きません。詳しい短縮ノウハウは書けませんが、スピードを意識することが重要だと考えています。プロジェクトのスピードをあげることは簡単で、決断する時間を短縮することで一気に加速できるのですが、線路や安全装置がシステムとしてしっかりしている新幹線で加速しないと、在来線の設備のままで200kmは事故になります。そこがミソだと思います。

最後に覚悟。徹底的に詰めて分析すればするほど、緻密に設計すればするほど、最後の最後で意見がわかれたり、選択に迷うことになります。わからなければ、よしこれだ。反対されたら、だからなんだ、という覚悟をもって望まないと、減速して動かなくなったり、ぶれて脱線したり、あとあと大変なことになると思っています。

これらを実施するためには、腰を据えてじっくりと取り組まなければならないのですが、そのためには土台となる事業がなければなりません。プロジェクトベースの仕事を遂行するためには、企業が新規事業として取り組む場合も、フリーランスとして参画する場合も、それこそサラリーマンで副業との参画でも、いずれにしても本業がしっかりと成り立っていないと危険です。

新規の取り組みはあくまでも本業の周辺業態で起こすべきですが、これだけ先行き不透明だと、誰しもが新しいものに飛びつきたくなります。しかし今こそ、本業(もしくは自分のやるべき仕事)に徹して、その部分での実績固めを大事にすべきだと思います。そして、それを突き抜けた先にしか、新しい道は開けないだろうと思います。

結局、これからの仕事も、今までの仕事と何ら変わらないのだろうと思います。