平常心を保つためにはイライラしない、怒らないことが必要ですが「惑い」の昨年は、その前提となる疲労回復に難儀しました。

「ちゃんと休みなさい」「無理はするな」とよく言われるので、気をつけている方です。お陰で大病や事故をすることもなく、次々と課題に取り組めているとは思います。

しかしながら、いつも心のどこかに「どう休んでいいのかがわからない」という思いと、下手に休んでしまうと今後のことが気になってしまってかえって気苦労を増やすこともしばしばでした。

最近はそんなに残業をしているわけでもなく、休日もしっかり取っているのに疲れがなかなか抜けない。また、意識的に気分転換を図っているにも関わらず毎日のストレスが蓄積しているようで一向に解消に繋がらない。

「なぜだ?」

この数年はとてもストレスフルでしたが、昨年はそれもピークに達しました。そんなきわどい状態でもなんとかやってこれたのも超スゴ腕のカウンセラーが味方にいたためですが、そろそろその対処療法の限界も感じており、対処レベルを上げようと決意しました。

そこで、まずは何が疲労の原因かを探ったわけですが、いろいろな本を漁ってみたところ、それは2つに集約されることがわかりました。

・情報の過剰摂取
・感情の無駄遣い

本質的には、情報の過剰摂取も感情の無駄遣いに直結していますが、個別にまとめてみたいと思います。

■情報の過剰摂取による疲労

まず疲労は眼精疲労の回復を図ると劇的に改善するそうなので、物理的に画面を見る時間を減らすだけで大幅に疲労を押さえることができますが、根本的には取り入れる情報の見直しが必要です。

ちょっと前にも書きましたが、まずノイズのとても多いニュースアプリを削除しました。次にどんどん送られてくるメルマガは3つ以内に抑えることにしました。

それからGoogleリーダーが終わるタイミングでRSSフィードからネットニュースをネタにブログにその感想(綺麗事)を書いている人を削除しました。

いずれにしても誰かの思いついたような感想に振り回されることを止めることが一番の特効薬です。もちろん自分自身に確固たる自信の柱が立っていれば惑わされることもないのですが、その確立を待つよりはまずは強風か大波か、感情を揺さぶるような情報の流入をストップすることが先だと思います。

すでに新聞は取ってないし、テレビもニュース番組を一切見ていないので、さらに世事に疎くなることを危惧したのですが、数ヶ月やってみてそれでまったく困らないことに気がつきました。

インプットはどうするか?

しかし、何でもかんでも断捨離だとインプットをしないことは別の問題が発生します。そこで何をどうやって取り入れるのかを考えてみました。

すると半径数メートルの人に対して誠実な対応を取ろうと考え、そこに必要な事柄を調べ尽くすことが、もっとも効率的な情報収集に繋がることに今更ながら気がつきました。

ロジカルシンキングの落とし穴でもよく言われることですが、どんなに優れた論理的思考回路をもっていたとしても、闇雲に掘り下げていけば疲労してしまうのは当然のことです。必要最小限の穴を徹底的に深く掘ることを意識しています。

その掘るべき穴は、お客さんや社員や家族に聞けばよいと思います。

■感情の無駄遣いによる疲労

「惑い」の昨年の疲れは90%はこれでした。「怒らない」「不安を抱えない」というのがもっとも有効な手段ですが、怒る感情を消し去ることは不可能なので、自分が何に怒っていて、それをいかにユーモアに置き換えられるのか、そのバッチを瞬時に実行できるよう体にスイッチを覚え込ませることが有効な手段のようです。

とにかく怒ることはもっともエネルギーを消耗する感情行動です。不安にさいなまれることも同様で、こちらは身体を蝕む可能性も高いと思います。

感情疲労にどう対処するのか

これ、いま簡単にひと言でわかったように言っていますが、自分自身で完璧にできるようになったわけではありません。 また本を読んだだけでわかったわけでもなく、禅寺に行ったことや、優秀なカウンセラーについてもらったこと、お茶の師匠や経営の師匠についていることでわかってきた枠組みを、本で読んだ知識で固めて語っているだけです。

正直なところ若くして仙人みたいな方が気色悪いと思っているので、うまくできなくても当然だと開き直ってます(ので、たまに不機嫌になってます)が、少なくともそれをブログに書いたところで根本解決にならないことはやってみてよくわかりました。

ということで、座禅や瞑想のようなテクニカルな対処方法だけでなく、単に愚痴を聞いて貰うなどオフラインで話を聞いてくれる身近な人を大事にするようにと思っているのと、今後は効率的なマネジメントを目指すだけでなく、雑談時間も意識して増やしていこうと考えています。その方がきっと人間臭くていいんじゃないかなと思い。

その点では、昨年は飲み友達が新たに増えて大変幸せな1年でもありました。

まとめ

現代人はそんなに身体を酷使していないし、栄養状態も昔に比べれば格段に改善されているわけなので、疲労に対する考え方を変えることが一番効果がありそうです。

こう考えると、現代において疲労回復に身体を休めるというのは、ダイエットするのに運動をするようなことに近いかもしれませんね。

コレステロール値を改善するために減量を続けていますが、三食しっかりたべて大した運動もしていませんが、夜の会食も増やしても着実に数値を減らすことができています。確かに食事9割運動1割のようです。

それと同じように、目に見えない疲労である感情疲労には、入力する情報と出力する感情をコントロールする術を自分なりに持つことが必要なようです。

疲れる前に休むのだ。そうすれば、あなたは起きている人生に一日一時間を付け加えることができるだろう。 D・カーネギー