最近は関連エントリーを書いていないので、もしや電子出版には飽きてしまってトーンダウンしているのではないか?と思われないように。
確かに明治の屯田兵とばかり孤軍奮闘していた3年前から比べればエントリーの数も大幅に減っていますが、様々な枠組みで電子出版をサービスとして提供しようと水面下で企画準備していて、その仕込に時間をかけています。
電子出版ということでもちろん「出版」をするつもりですが、その前に考えていることとして、出版物制作サービスのレベルアップと出版そのもののサービス化を目指しています。特にサービス化については、事業経営者として取り組むべき価値の高い仕事だと考えています。
今年で働き始めて20年になりますが、この間にパソコン書とビジネス書の2大ブームを作り手側として接する機会を得て、本が売れることがいかに楽しく素晴らしいかということは経済的にも体感していますが、売れて終わってまた次はゼロスタートというビジネス構造に、正直なところ経営を勉強すればするほど、仕組みとして面白みを感じられないのも事実です。
そこで今はすべてをゼロベースでサービスを考えて、お客さんは誰か、どうすれば喜んで頂けるのか目前の事案に1つずつ集中して年単位で事業をつくる覚悟で進めています。
もう一つ時間がかかっている理由があります。それは「社員の仕事を作ること」を考えてながら取り組んでいるためです。社員が無理なく成果を楽しみながら仕事をした結果として、この電子書籍関連の仕事が進むよう調整しながら事業開発しています。
すでにお客様は神様の時代は終わって、いまはお客さんと仕事を楽しむ時代になっていると考えています。学者ではないのでいちいち立証する必要もなくしませんが、たぶんそうです。
そこで当社の社員は、技術力や対話力を磨いてお客さんに仕事を依頼して楽しかったなと思わせるレベルまで持って行こうと考えています。こうなってくるとデザイン力ある編プロというポジションが俄然将来性あるモデルに思えているところです。
育成にあたっては、技術は枯れたもので十分で、これからも特段新しい技術を必要としないと考えていますが、サービスの方は大問題で、この数年いろいろな現場を回ってみて、出版業界はビジネスの現場としてはかなり低レベルな状況にあるんだということを思い知らされていて(だから自分程度でも独立できるわけで)、まずは自らがサービス提供者として、次にサービス設計者として、しっかりとビジネスに取り組める素地を作るところからスタートだと考えています。
そこから人材育成に取り掛かるわけですから時間がかかりますが、当初は時間がかかっていることについて「電子出版は儲からない」という言葉に反応していたのですが、最近は、だいたい事業経営がどういうものかわかってない上に、新規事業を立ち上げたこともないのによく論評できるなと思うようになりました。
よく考えてみれば、ゼロから事業を立ち上げ、それを持続的に発展させるところまで達成できている人はとても稀少なんですよね。
電子書籍関連のニュースがネットで流れなくなってきて、騒いでいた人たちが静かになってきたところで、これからが本番だと考えています。
コメントを残す