そういった陳腐な表現しか浮かびませんでしたが、当社で働くにあたって、これは当然のことだということが1つあるのでお話しておきます。ということで社員向け。

それは「今とは違う仕事を始めて成果を上げ続ける」こと。

背景には、私は脱サラ創業社長なので、当然これが初めての経験なわけですが、他の取締役全員が、やはりゼロからスタートして今に至る経緯があるためです。

まず萩原の場合は、最初はエディトリアルデザインオンリーでやっていました。私や寺内が編集、彼がレイアウトというような感じです。で、創業2年目ぐらいから装丁を始め、今はご覧のとおりひっきりなしに依頼がきていて、レイアウトはほぼやる暇がありません。

古屋はもともと版元の営業事務でしたが、簿記を取ってもらって経理を初め、いまは税理士の資格試験を受けてます。もちろん総務と私の秘書業務もやっています。

なぜ当社は創業メンバーが辞めていないかというと、こうやって私が変化しているのに合わせて彼らも一緒に成長してきたためだろうと理解しています。

そして、今私自身はまた新たにウェブメディア制作の分野でに舵を切りました。だから、新しいことに対して未経験だからできない、というのは当社に限っては、ありえない、ことなのです。

ここ数日、社員がこぞって、経験がない、未熟だから、という不安を口にしていたのですが、私は一切聞く耳を持ちません。

誰でも初めての経験はあり、そういうことに直面したときには不安を感じるものです。問題は、それ(不安)をいつ終わらせるのかということ。私自身は勇気をもって、さっさと飛び込んだほうがいいと考えているので、すぐにやりなさいと言うのですが、大抵は「余裕ができたら」「成長したら」と及び腰です。

しかし、そんなことは大嘘です。余裕ができたら、ということを口にする人間は、余裕を作らないように今ある仕事を薄くのばして忙しい振りをするのが上手です。同じことを繰り返している人が成長するのは、いかにして楽するかという手抜きの技です。

創業当初、今よりさらに不安定で余裕も全くないときに、経営陣が全員そういう転換経験をしているので、「余裕ができたら新しいことをやります」という言葉の欺瞞はすぐに見破れます。

いますぐやるのです。

そもそも、社会の大転換期だといわれてもう10年ぐらいなりますが、いい加減転換することになれておかないと、この先さらに世の中が変わっていくときについて行けなくなるでしょう。

当社にいる限りは、絶えず変化し続けることを求めます。そして、それが真の成長だと考えています。