昨日は社員総会をやりました。初めての試みなので、当然これからもどんどん改善していこうと思っています。

まず社長っていうのは、ついつい言ったつもりになりがちなので、今回からきちんと時間と費用をかけて、懇親会セットで社員に対してプレゼンすることにしました。

中でも、もっとも大きく変えたことは事業計画をKeynoteで作ったこと。これまではWordで文章にしていたのですが、これをできるかぎりわかりやすく編集し、かつ書類を配布しない方式にしました。残念ながら一般公開の予定はありませんが、事前にプロトタイプで作ったメディア事業部向けのプレゼンシートはかなり力作だと自画自賛(過剰なアニメーションは笑えるらしい)。

Keynoteはダウンロードの試用版で作ったのですが、試用期間を1週間以上のこして、2つのプレゼンシートを完成させました(笑)ソフトを短期間にマスターするというのは久しぶりの経験でしたが、こういうのって、実際に作るものがあって実践で集中してやったほうが上達は早いですよね。もうこれで完璧に使いこなせると思いますので、以後の企画書は全部Keynoteで。

で、プレゼンシートは動画に書きだして、当社ではGoogleAppsのエンタープライズ版を使っているのですが、動画共有ができるのでここにアップして、いつでも見直せるようにしました。紙だと間違いなく読み捨てられるし、忘れ去られるし、ストーリーを追って理解してもらいたいと思っているので、事業計画を伝えるのに、この方法はもしかすると最適なのかもと思っています。

勤めていたころは社長の言うことはものすごく真剣に聞いていたほうなのので、いまでも当時のメモが残っていますが、なるほど、あのときこういったのは、こういうことだったのか、と実は今になってさらに役に立っています。そういったことで、社長の言ったことは後から読み返して効果があるだろう(そういうものにしよう)というわけで、今回の計画書も今すぐその場で理解してもらえなくてもいいと考えていて、あとは、何度も見直してもらう仕組みや、繰り返し大事なことを言葉をかえて伝えるようにしたいと考えています。

タイトルに書きましたが、事業計画なんて大層なことをいっても、今は明確に年商3億までは理屈はいらないと考えています。必要なのは情熱だけ。情熱っていうとわかりにくいですが、要するに「収益をあげる」ことそれだけです。他の会社のことは知りませんが、少なくとも当社はこれまでの6年間、利益を出し続けているから続けてこられて、新しいことにも挑戦できていたわけで、利益が出てないのに、テクノロジーがどうの、トレンドがどうの、ブランド戦略、マーケティングが云々。どうでもいいです。「だから何?それ、売れるの?」でおしまいです。

タイミングよくビジトレ本が出ましたが、実際に売れているから書店さんも次に期待してくれて、次回の出版にも挑戦できるのであって、いくら中身がどうかと議論したところで、売れてなければ、作っても産業廃棄物になるだけ、なるだけならまだしも赤字を作って、資金繰りに窮してあとはもうね。

「社長、さすが立派な文章です。でも、言っちゃ何ですが、高々この程度の売上で社長がいくら業界云々といったって何も変わりやしませんよ。」

昨年計画書を読んでもらった先生に指摘されました。これを聞いたときに、ガツンときたとか、目が覚めたとか、そういった言葉で表せる衝撃に止まらず、いまだに理屈や正論で社会を変えようと考えていた自分の甘さを目にもみせられました。当社が新しいことに取り組んで収益を上げること、それだけが、業界、ひいては社会を変えることができる唯一の手段です。

この際、改めて社員全員に伝えたいことは、サービスを提供すべき困っている顧客を捜し続けること、提供するものを顧客にとって最新、最善のものにできるよう努力すること、そして提供したサービスで収益をあげられるよう費用対効果の意識を常に持つこと、3つです。「どこよりも早くいい企画、技術を開発して、ものを作って売って利益を出す。」それ以外に、当社のような業態の会社が生き残る道がありますかね。あったらぜひ教えて欲しいと思います。商売の現場で磨かれた技術以外は一切不要です。

そのように考えているので、仕事が忙しいから開発の勉強ができないとか、企画が立てられないとか聞くと、(馬鹿かお前は)と思ってます。そういう人には何を言っても無駄なんでいちいち言いませんが。まぁ本当にそう思うなら、さっさと受験勉強し直して象牙の塔に入ればいいでしょう。

新しい出版のカタチを実現していこうと考えていますが、それは実際に提供し収益をあげた商品、サービスでしか表すことはできません。また、当社の売上が目に見えて拡大しない限りは、それはすべて画餅でしかありません。ということで今期からは、明確に3億という「数字を追いかける」ことにしました。

こういうことを書くと、数字に「追いかけられる」ことを不安に思ったり、不審に思ったりする人もあるようですが、私自身最近よくわかってきたのは、そうやって結果「数字に追い詰められる人」は、目前の数字だけを達成するために場当たり的な対応をしていたり、顧客に対しても真摯に向かっていなかったりが多いです。なので、そういう人は当然サービス開発なんて無理なんで、人材としては不要と考えています。

昨日の懇親会の席上、大西がとあるネットイベントをみて、ビジネスが「ぬるい」という話をしていました。私もそれを聞いてまったく同感に思いました。と、同時に当社にもまだまだそういった「ぬるさ」「甘さ」があることも痛感しています。

これまでは明確にこういった事業方針をブログで書くことはなかったですが、公言しておくことで自分自身への戒め、振り返るべきポイントにしておこうと思います。