以前、ブログに編集者って個人商店みたいなもんだって言う話をしてくれた元同僚のことを書いた。

いまでも基本的にはこの考え方は同じ。同じどころか、デザイナーの萩原でさえも「萩原商店はこの先も安泰だけどなぁ」って、毎度営業に四苦八苦している連中が不思議でならないと私に話をしてくれるし、やっぱうちは商店街みたいな会社、もしくは弁護士事務所のようなパートナー会社を目指そうってぼんやり考えてました。

でも商店街っていうのが微妙にひっかかっていて、自宅の最寄り駅は2つあって一つはスタンプで超有名な商店街、もう一方の駅には対照的にもう腐っているとしかいいようのない再開発寸前の商店街があって、駅前の道は狭いし、店舗は少ないし、店が揃っているわけでもないし、つくづく世田谷っていうのは不便な田舎だなぁと思います。と、なんだ話がそれた。

春頃に関東近郊の巨大ショッピングセンターの書店を巡ってみました。マスコミの論調ではああいった大型店を否定して昔ながらの商店街を復興させようっていう感じですけど、どうなんでしょうね。ホントにそれで良いんでしょうかね。

自分の実家も福岡市のベッドタウンということで開発された新しい街でしたが、開発された当初こそ住宅街に商店街がありましたが、いまではすっかりバイパス沿いに大型店が軒を並べる状態で、町中の商店街は跡形もなくなくなりました。以前は、親が老いたらどうしたものかなどと考えることもありましたけど、よく考えてみたらこういった大型店が、それこそ規模を活かして在庫を豊富に揃え、機動力を活かして地域に密着した介護&宅配サービスなんかやりゃいいじゃないのと思っています。それこそネットを活用してね。

という具合に、最近は個人的に何でも復古調の流れにほとほと嫌気がさしていて、出版不況にしたってかつての栄光よ再びみたいな話の裏返しで、大出版社の赤字もうダメだみたいな話をしていますけど、周囲の売れている編集者の話を耳にする限り、そんなことないんじゃないの?ちゃんと努力してるところは大丈夫だろうよ。というか、そもそも人のことはどうでもよくってお前こそ売れるもの作るか、新しい何かに挑戦するように頑張れよ。なんて思っています。ああ、また話がそれた。

で、先日不動産コンサルの社長さんとお会いする機会があって、元デベロッパーということでアウトレットモールの開発を担当されていたそうで、そういった話を聞いているうちに、あぁそうだ、商店街じゃなくって、ショッピングモールみたいな会社にすればいいんだって思った次第。

社員一人ひとりがブランドもったお店を経営していて、個別に経営努力もするけど、それが集まって価値を増幅出来るみたいな感じ。もともと企画からデザイン、制作までワンストップというのは、発注側にとっても、時間コストの大幅な低減に繫がるわけで、そういうところはこれまでも機会あるごとにささやいてはいたんだけれども、今回メディア事業部を作ることで、さらにモールの規模も拡大して、やれることも増大するし、独自企画も増やして華やかな感じもさらに演出できるようになっていると思っています。

間違わないようにしないといけないのは、これって、どこのテナントが売上No.1かを競わせるだけじゃなくって、それぞれのお店がモールの価値を高めるように考えて営業活動頑張ろうよということです。

ナレッジワーカーという言葉があります。もう随分古い言葉で、でもこういった社員が集まる会社にしていかなければって数年前から思っていてメモしていたことがあります。これを実現するためにもショッピングモールみたいな会社ってのは最適なんじゃないかなぁ。

1.価値・意味を重視する
従来のスキルワーカーやホワイトカラーが手続きやルールを遵守していたのに対して、価値や意味を重視する人材

2.自律的に仕事を行う
自律的、主体的に仕事に取り組むという姿勢を持つ

3.専門領域に帰属意識を持つ
スキルワーカーは企業に帰属意識があったが、ナレッジワーカーは専門領域において帰属意識を持っている

4.創意工夫を加える
ホワイトカラーは与えられた仕事をきちんとこなすことを求められた。ナレッジワーカーは創意工夫を加えることにより仕事の有効性と効率性を高めることにつながる

5.ナレッジを積極的に活用する
ホワイトカラーは情報を正確に処理することを求められた。ナレッジワーカーは、定形、不定形を問わず社内外の人的ネットワークやインターネットなどのITを使って、利用できる情報を積極的に活用し仕事に役立てる。

何から引用したのか忘れてしまったけど、たぶんドラッカーなんじゃなかったか。ネット探したらもっとわかりやすく書いてあるのを見つけた。

http://kwenchanajo.ld.infoseek.co.jp/02-nare.html

この中のスキルワーカーとナレッジワーカーの対比を見たら、今みんながやっていることが古いってことが明確かも。

いつもこういうことを念頭に社員育成を考えていたんだけど、これからは具体的にショッピングモールを経営するように考えていけば、自ずとテナントである社員のみんなもそうなっていくんじゃないかな。

いや、そうなるようにしなければ新しい出版サービスなんてやってられないね。