長時間働いている割には思うような成果をあげられない−-。こうした状況を「仕事メタボ」と名づけたのが、産業能率大学総合研究所の荒井幸子プロジェクトリーダーだ。(2009年10月30日 日経産業新聞 18面)

たぶん、誰かこんなこと言うんじゃないかと思っていたら新聞記事になってました。仕事メタボ。まぁ確かにそうです。残業減らしたい社長としては、撲滅したいもののひとつです。

でも、この先生が書いているように、個人に仕事の効率化を意識させるようなことでは、なかなか改善されないと思うんですよね。だいたい仕事メタボの人はいわゆるメタボの人と同じで、自分で自覚していると思います。メタボなんとかしなきゃって。なんとかしなきゃって思っててもできない人に、いくら理屈を説いても無駄だろうと思います。

なんとかしなきゃって思ってて、どうすればいいかもだいたいわかってて、それでも実行に移せない、その実行に移せない自分の気持ちと向き合わないかぎり、よし変えようということにはならないし、変わらないから改善されないです。それこそ病気になったり、解雇されたり、なんかそういうとんでもないショックがないと自分の気持ちに向き合えない人間の弱さを知る機会が必要だと思います。ということで、この点については、会社のシステムを変えて、残業禁止というショック療法を実施中です。

もう一つは、快感を味わう経験が必要なんだろうと思っています。仕事がきっちり片付いたときの爽快感。もしくは売れたときの満足感。いわゆる成功体験ってやつですね。これがあるかないかが大きな違いになっていると思います。この経験がある人は、何も言わなくてもどんどん仕事やってくれます。楽しいから、どん欲に仕事をやるし、どん欲に仕事を続けていくから成功する確率も高く、結果満足も大きくて、さらに仕事が進む。と。

ところが、この成功体験を与えるっていうのは簡単だけど実践は非常に難しいです。こちらは簡単な仕事だと思っていても、それをやり遂げることができなかったりするわけです。どんどんよかれと思って小さな仕事にしていくけど、与える仕事がなくなった時点で、もう会社にはいられなくなるでしょうね。昔は、そういうことも悩んでましたけど、最近はまぁ仕方がないと割り切ってます。